三上山に登る2017/01/01 08:03

三上山
 奈良の山登りの帰りに滋賀県の三上(みかみ)山に登った。近江富士とも呼ばれる均整の取れた三角形の山だ。野洲駅からも近いので、お土産のくず餅など余分な物を駅のコインロッカーに預けて歩き始めた。
 最初は昔の中山道だった。いにしえの旅人は近江富士を見ながら京に向かったのだろうとの思いをはせたながら歩いた。我々も新幹線から何度も近江富士を見ているはずだが、いっこうに記憶が無いのは、標高432mは小さすぎる山だからだろうか。中山道に別れを告げ、田園地帯を歩くと麓の御上(みかみ)神社に着いた。社務所ではお札を売っていた。12月下旬ともなると境内は閑散としていて手持ちぶさたの様子だった。
 登山口は神社から5分程のところに有った。中腹には割岩との名の岩が有った。大きな岩の割れ目に道が付けられていた。迂回路も有ったが、割れ目を通ることにした。前半の5mほどはザックを背負ったまま通れたが、最後の2-3mはザックを手に持って横向きに通過した。体格によっては通過困難だろう。割岩からは手すりも付いた岩場の登りになった。岩場を登って行くと山頂直下の展望岩に着いた。あいにく遠くの山はもやっていた。眼下には京都方面に行く車が渋滞している国道が見えた。下山は反対側の「花緑公園」に下りた。この時期は閑散としていて、近くの運動公園からの野球練習のかけ声が聞こえてくるだけだった。
 無事、登山を終え、後はゆっく電車で帰るだけと思っていたら、帰りの新幹線は沿線火事のため約2時間遅れてしまった。おかげで、お土産のくず餅は、おなかの中に消えてしまった。

クリスマスの南天山2017/01/04 21:58

南天山山頂
 クリスマスには南天山に登った。西武秩父からのバスは5人の乗車だった。乗客は途中の三峰口駅や道の駅で次々降り、最後には私と50歳くらいの男性の2人だけになった。
 ダム湖のところは、しばらく無人地帯だった。自由乗降区間との事だったが、バス停はしばらく無かった。湖が過ぎると中津峡で渓谷美を楽しめる所だった。バス停も所々に有った。もう一人の乗客は、この付近のベテランらしく、「トンネルの手前で下ろしてください。遊歩道を歩きたいんで。」と言ってバス停ではないところで下車していった。どうやら渓谷巡りをする様子だった。かくしてバスを終点の中津川まで乗車するのは一人だけになった。
 中津川にはふれあいの森や森林館などの設備があるのだが、この時期は閑散としていた。建物の外部トイレも閉鎖され、森林館の中にあるのを使うよう記載されていた。林道を少し歩くと登山口だった。渓谷沿いの登山道は沢を右に左に渡って進む道で楽しめた。法印ノ滝を眺めて、しばらく登ると沢を離れた。桧やカラマツの植林を稜線まで登り、更に一登りすると山頂に着いた。誰もいなかった。山頂からは両神山が間近に見えた。奥深い位置にあるため平地は全く見えなかった。
 帰りのバスも始発で乗車したのは一人だった。このまま一人かと思ったら、行きに乗り合わせた渓谷巡りの乗客が、バス停ではない渓谷出口で手を上げて乗ってきた。クリスマスに家族サービスもせず、自由乗降を利用して渓谷巡りを楽しむとは、よほどの変わりものか通なのだろうと思った。

犬吠埼のキャベツ畑2017/01/08 21:11

キャベツ畑の向こうに海を望む
 1月2日は犬吠埼を歩いた。まず銚子電鉄で海鹿島(あしかじま)まで行き、住宅地を海の方向へ歩いた。海に出て南へ向かうと君ヶ浜で、1kmほど砂浜が続いていた。砂浜の端から階段を登ると犬吠埼だった。200円の灯台に登るのはやめにして、レストランに入って「鯛のづけ丼」と「ネギトロ丼」で腹ごしらえした。
 空腹が満たされたところで今度は愛宕山に向かって歩き始めた。やがて銚子電鉄の犬吠駅に着いた。売店が有ったので、おみやげの「ぬれ煎餅」を2袋購入した。駅から少し歩くと一面のキャベツ畑になった。銚子は春キャベツの産地とのことで、ちょうどキャベツの玉が大きくなりかけているところだった。
 愛宕山山頂には「地球の丸く見える丘展望館」が有り、380円払って屋上に登ると、なるほど周囲ほとんどが海で陸地は銚子市街の方向だけだった。その陸地も湖と間違えそうな利根川の水面がかなりの部分を占めていた。次に向かったのは、もう一つの岬、長崎鼻で、こちらも途中にはキャベツ畑がたくさん有った。キャベツ畑越しに海を見ると、なるほど水平線は丸い感じがした。
 長崎鼻から海岸伝いに歩いて銚子マリーナに着いた。砂浜と緑の芝生には犬を連れた人が何人かいた。犬は飼い主と戯れながら海岸歩きを楽しんでいた。銚子マリーナからの遊歩道は屏風ヶ浦へ続く散歩道で、30mほどの高さの崖が延々と続いていた。遊歩道の終点まで歩いたところで、少し疲れたので、おみやげの「ぬれ煎餅」のうちの一つを試食しながら一休みした。遊歩道終点からは再びキャベツ畑を見ながら銚子駅へ戻った。

日向山の豪華な新年山行2017/01/10 20:53

日向山山頂
 新年の初登山は奥武蔵の日向山だった。西武線で集合した一行5人は、芦ヶ久保駅で下車した。駅前は日影で風も強くて寒かった。向かいには目指す日向山が見えた。山頂は日が当たって暖かそうだった。
 果樹園を見ながら登って行くと、やがて山頂に着いた。周辺の木の葉はすっかり落ち、日がまぶしかった。正面には武甲山が大きく見えた。石積みの展望板が有り、横で40歳くらいの単独行者が食事のコンロの後片付けをしていた。風は相変わらす強かった。少しでも風の弱いところを探そうと、山頂の先へ進んでみた。かえって眺めが悪くなるだけで、風の強さは変わらなかった。仕方なく山頂に戻る事にした。戻る途中で下山して行く単独行者とすれ違った。結局、単独行者がいなくなって空いた展望板の石積みの風下側で休むことにした。
 風は冷たかったものの、石積みの風下に入ると寒さも和らいだ。シートを敷いて、ワインで乾杯し、山頂宴会を開始した。クリームシチューを暖め、ホットサンドを焼いて食べた。寒い中で暖かい食べ物を体の中に入れると山頂での食事も豪華になった。誰もいない山頂での豪華な食事は、この時期ならではだった。
 たっぷり1時間半も滞在し、余韻の残る山頂をゆっくりと後にした。

バスで行った志賀坂諏訪山2017/01/12 19:59

志賀坂諏訪山山頂から両神山を望む
 志賀坂諏訪山は埼玉県でも最も奥まった位置に有る。西武秩父駅からのバスは途中の小鹿野(おがの)町までで、登山口のある坂本にはバスを乗り換えなければならなかった。
 小鹿野までのバスは高校生も多く乗客13人だった。途中で二人ほど乗客を降ろした後は全員が小鹿野までの乗客だった。乗り換えの小鹿野役場で私を含めた4人が下車すると、高校生だけになったバスは、終点の小鹿野車庫へと走って行った。小鹿野役場で下車したのは全員登山者で、坂本行きのバスへ乗り換えの乗客だった。私以外の3人は20歳くらいの男性グループで大学生らしかった。坂本行きバスの乗客はこの4人だけで全員が終点で下車した。身支度している3人を置いて一人歩き始めた。20分程で二子山への登山口に着いた。登山口には民宿が有り、煙突から煙が暖かそうに出ていた。ほどなく民宿から50歳くらいの女性が布団を手押し車に積んで出て来た。日の当たる薪の上に布団を干していた。私の出発と入れ違いに先ほどの3人組が賑やかに登ってきた。どうやら二子山に登る様子だった。
 志賀坂諏訪山山頂で両神山の眺めを楽しんだ後、反対側の群馬県側に下山した。帰りは上野村から高崎線の新町駅まで走るバスに途中の古鉄橋から乗る予定だった。予定より1時間半ほど早く下山したので1本前のバスに乗れるかしらと思い、バス停で時刻表を見た。ちょうど1分前のバスが有った。ここ数分でバスが走って行った形跡はなかった。まだバスは来てないだろうと思ったら、1分もしないうちにバスがやってきた。おかげで体も冷えないうちにさっとバスに乗り込むことができた。
 他の乗客がいなかったバスも途中からポツリポツリと乗ってきて5-6人の乗客になった。谷間の夕暮れの景色も次第に暗くなって行った。2時間近く乗って新町駅に着いたときは、真っ暗になっていた。

妙法ヶ岳の危ない登山者2017/01/23 19:50

妙法ヶ岳 山頂直下の登り
 妙法ヶ岳は三峯神社の奥宮にもなっている。以前は麓の大輪からロープウェイが三峯神社まで通じていたが、今は廃止になり、代わりにバスや車で三峯神社まで登るのが普通になっている。妙法ヶ岳は三峯神社から1時間程で行けるので、車で神社まで来て、急に思い立って登る人もいるようだ。登山としては三峯神社からの往復では物足りないので、大輪から昔の表参道を登ることにし、下りだけ三峯神社からバスを利用することにした。
 麓の大輪から三峯神社までは2時間半余りだった。雪は行程の半分ほどで積もっていた。三峯神社外れの鳥居からは踏みつけられた雪が続くようなったので軽アイゼンを付けた。積雪は5-10cmだった。最後の鎖の着いた階段を登ると山頂に着いた。少し時間が押していたので雲取山や両神山の展望を楽しんだだけで15分程で山頂を後にした。
 下り始めてすぐ革靴にコートを着た30歳位の男性単独行者とすれ違った。足跡を見ると、靴裏のギザギザのほとんどない、町中で履くような靴だった。「こんにちは」と声をかけたが、無言ですれ違っていった。雲取山との分岐の小鞍部を過ぎると右下がりの斜面を横切る道になった。少し登り気味の雪道だった。30代の男性単独行者が我々の通過を待っていてくれた。ところが我々を谷側で待っているうちに足元の斜面が崩れ男性が50cmほど滑り落ちてしまった。びっくりした。下を見ると、そのまま雪の斜面が谷まで続いていて谷まで止まりそうにない斜面だった。「まじめな話、かなり危ないですよ。こちらに寄った方が良いですよ。」とストックで山側を示すと、無言で素直に山側に位置を変えていた。
 道を譲るときは山側で待つのは、普段から癖にしておかないとならない。さもないと、うっかりしてして危ない状況になる場合があるとあらためて思った。

立処山にバスで行く2017/01/27 20:12

立処山山頂
 立処山(たとろやま)は群馬県の南西に奥まった位置に有った。高崎線の新町駅からバスで約2時間の古鉄橋(こてつばし)から登り始めた。標高差約300mで往復2時間の山だった。
 北斜面を登るので1月下旬のこの時期は雪が積もっていた。積雪は5cm位だった。山頂北面の絶壁を眺めながら滑りやすい道を登って行った。最後の岩場を登ると山頂に着いた。山頂には雪は無かった。360度の展望だった。周囲の山に囲まれているので、あまり著名な山を見ることはできなかったが、南側には両神山が大きく見えた。足元の絶壁の下には出発点の古鉄橋が小さく見えた。帰りは往路を慎重に下った。
 帰りのバスも約2時間の乗車だった。他の乗客は1人だけだった。途中の万場で10分の休憩時間が有ったので、バス停向かいの店で暖かい紅茶のペットボトルを購入した。バス車内に戻り余ったお菓子をポリポリと食べ始めたら止まらなくなってしまった。
 結局、山で使ったエネルギーよりも食べて補充したエネルギーの方が多い一日だった。