母島の美女と鮫2017/04/18 09:04

浜辺の鮫
 母島での初日、鮫ヶ崎で鯨を見た後、砂浜を散歩しながら宿に歩いていた。砂浜の一部は囲われて、ウミガメの産卵、孵化のため保護していた。海との間を仕切る柵は粗いもので、間からは体長1.5m位の鮫が入ってきてしまい、池の鯉のように群れていた。砂浜の端には小麦色の肌をして健康そうな30歳くらいのスレンダー美女が昼寝をしていた。横を通る時に「こんにちは」と声をかけたが、昼寝を邪魔されていかにも迷惑そうだった。宿に戻ってラウンジで一休みしていると、女性が一人宿に戻ってきた。「さっき浜で会いましたよね。」と声をかけられた。「ああ、砂浜にいた方ですね」と気が付いた。「何泊ですか」と聞かれたので「3泊します」と答えた。女性は「Private」と書かれたドアを開け2階に登って行った。
 島には若い女性が多かった。この宿も年配のご主人以外は若い女性のスタッフだった。2泊目は宿泊客が少なかった。朝食は、初日のスタッフとは違う黒い服の似合う小麦色の肌をした20代の女性二人が準備していた。「今晩の食事は7時にお願いします」と言うと「宿の人に伝えておきます」との事だった。どうやら手伝いで来ている人らしかった。
 帰る日の朝、散歩から帰ってラウンジで休んでいたら、初日にあいさつしたスレンダー美女が2階から下りてきた。「今日が最後ですね」と声をかけられた。宿で働いている様子が無かったので「ガイドをされているんですか」と質問すると「XXX(居酒屋)」で働いているとの事だった。「それだったら行きたかったですね」と言うと「誘おうかと思ったけれど宿にも食事がついているので・・・」との返事だった。
 宿を出て港に向かう時に玄関先で外出から戻ってきたスレンダー美女とすれ違った。ポリ袋に5-6本缶ビールを入れていた。「今日はお店が休みなので」との事だった。そして「行ってらっしゃい」と笑顔で言われた。母島では出発時の挨拶は「さようなら」ではなく、また来てほしいとの意味も込めて「行ってらっしゃい」なのだ。「行ってきます」と明るく返事をして港に向かった。