母島の夕日2017/04/20 13:28

静沢之森の夕日
 乳房山に登った日は夕食を少し遅い19:30にしてもらい、夕日を見に行くことにした。事前に缶チューハイを購入し、前夜、ナイトツアーを案内してくれたO氏に「静沢之森」まで車で連れて行ってもらった。車を降りた場所は水面から100m位高くなった高台で日没には、まだ間がありそうだった。O氏は「あそこの眼鏡岩と四本岩の間をクジラが行ったり来たりするんです」と説明してくれた。
 「満月の日はコウモリの数を数える用事がある」と言うO氏は、我々を置いて、やがて引き上げていった。遊歩道を20m程進んだところにベンチが有ったので座って缶チューハイを開けて飲み始めた。静かな日だった。穏やかな水面には時々クジラのブロー(潮吹き)が見えた。ブローの音も時々聞こえてきた。
 しばらくすると遊歩道入口に車がやってきて、男女数人のグループが下りた様子だった。そのうちの一人がベンチの所まで様子を見に来た。先客の我々がいたので少しがっかりした様子だった。35歳くらいの男性で宿泊客の女性二人を案内してきた宿のスタッフと言った感じだった。夕日を見に来た様子だったので「ここは有名なんですか」と質問すると、「全然有名じゃないですけれど、そこにタコノキが有るんで良い写真が撮れるんです」との返事だった。そしてスマホを取り出しタコノキの幹の間から取った夕日の写真を見せてくれた。やがて男性は女性達の方に戻っていった。しばらくして男性の「うまく撮れたよ」との携帯電話で誰かに連絡する声が聞こえて来た。クジラのブローの音のたびごとに女性たちが「キャーキャー」と感激している声が聞こえてきた。やがて赤く染まった西の空に日が沈んだ。車の人たちが引き上げた後、我々も腰を上げた。30分歩いて港に着いた時は、すっかり暗くなっていた。
 後日、母島観光協会のブログを見たら、当日その場所から撮った夕日の写真が掲載されていた。