雲取山のテン2017/04/30 18:00

三条の湯のテント場
 雲取山へは、後山林道を通って三条の湯でテント泊してから登ることにした。新緑と周囲の山々の桜を楽しみながら後山林道を歩いて行くと前方から軽自動車がのろのろと下って来た。黄色い小動物が軽自動車の前を走っていた。白い顔で尻尾のふさふさしたテンだった。軽自動車と我々との挟み撃ちに遭ったテンは林道を離れ沢の方へ10m程下っていった。軽自動車は水道局の車で、助手席には20代の制服を着た女性職員が乗っていた。軽自動車をやり過ごした後、テンは再び林道に戻り、今度は斜面を登って上に向かい我々の視界から消えて行った。
 三条の湯のテントは我々の一張りだけだった。手続き後、ビールを購入した。鹿肉の燻製も300円で売っていたので合わせて購入した。燻製は紙の皿に7-8切れ入っていた。テントを設営した後、テントの中で鹿肉の燻製をつまみにビールを飲んでくつろいだ。燻製は臭いは強かったがビールに良く合いおいしかった。
 夜中、テント横の小石がカサカサと動く音がした。続いて前室のフライシートの下に入れておいた空き缶がカーンと大きな音を立てた。落石かしらと思い外をのぞいてみた。崖との間には沢が有り、落石が我々の所に来るのは少し考えにくかった。沢の対岸を懐中電灯で照らすと光る目玉が二つゆっくり右から左に移動するのが見えた。張り綱固定用の石を見ると少しずれている感じはしたが、石の角は丸く、落ちたばかりの石には思えなかった。何だろうと思いながら空き缶を少し中に入れてから再び寝に着いた。夜中に再度、小石がカサカサと動く音がした。翌朝、朝食を準備している時に昨日の鹿肉の紙皿が出てきた。肉の脂が染みついて臭いが強く残っていた。
 帰宅してテンの習性を調べたら雑食性で小型哺乳類も食べるとの事だった。夜中にテント近くに来たのはどうやらテンらしかった。テンなら良いが熊だと一騒ぎになるところだった。テントの中で臭いの強いものを食べるのは御法度だと思った。