仙人谷で滑落事故を目撃2017/10/03 13:05

仙人谷の事故現場を下方から望む
 裏剱への山行の三日目、仙人池ヒュッテで荒々しい剱岳を見た後、仙人谷を阿曽原温泉小屋に向かって下り始めた。この谷では前日の9月30日に滑落死亡事故が起きていた。事故の事を聞いていたので多少緊張して下って行った
 一時間あまり下ると雪渓が出てきた。小さい雪渓で上は平らだった。硬く凍っていたので、ゆっくり慎重に歩いた。雪渓が終わると谷底まで15-20m程の斜面を横切って進む道になった。道が下りに転じると、先に広い雪渓が見えた。雪渓に上がるための2m程の梯子がかかっていた。前を行く登山者が雪渓の上でアイゼンを付けていた。梯子を登り、雪渓の上の平らなところに荷物を置いた。雪渓は少し硬かった。軽アイゼンを付けようとしていると、50歳位の池ノ平で隣のテントにいた精悍なH氏もやってきた。「やあ、来ましたね」と挨拶した。H氏も軽アイゼンを付け始めた。お互いアイゼンを付け終わる頃に後続の50-60歳の24人組も近づいてきた。時刻は8時半頃だった。
 声がしたので振り返ると、人が頭を下にして大の字になって谷へ落ち行くところだった。「これは死ぬな」と思っているうちに深さ10-20cm程の水の流れる谷底で水しぶきを上げた。声を失って見ていると1分ほどして横になった体が動き出した。「動いている」と思わず声を上げた。4-5分たつと、いったん立ち上がったが、また水の中に座り込んでしまった。青いヘルメットをかぶっている様子だった。登山道までは崩れ落ちそうな岩の斜面が高さ15mほど有り容易には登れそうに無かった。二つの雪渓の間の斜面で、自分自身は問題を感じずに通過してきたところだった。呆然としていた24人の団体のメンバーも動いている滑落者を見て口々に「○○さーん、そこでじっとしていて-」などとと声をかけ始めた。24人の団体でもあり、いつまでも見ている必要は無いので、雪渓を慎重に下り始めた。そして雪渓を渡り終わった先でヘルメットを着用した。
 推測するに、すぐ先の雪渓に気を取られ足元への注意がおろそかになったのだろう。事故は危ない箇所よりも、その前後で起こるとあらためて感じた。ヘリコプターは阿曽原温泉へ下っている11時頃にやってきた。阿曽原温泉では後から来た登山者に「ヘリコプターで救助されていた」との話を聞いた。

コメント

_ (未記入) ― 2017/10/14 22:43

こんばんは。室堂-欅平の山行の途中、池の平小屋以降かなりの時間ご一緒した林です。お疲れ様でした。以降10/7-10/9で鳳凰三山に行ってきました。2日間でも可能ですがゆっくりしました。今月の山行はこれで終わりです。月末マラソン参加もありまして。来月は四万温泉っで1泊しつつ散策程度、イタリアのサルデーニャ島中心の旅など予定です。奥多摩あたり日帰り程度追加ぐらいはするかも。

_ 俊 ― 2017/10/17 20:48

林さん コメントどうもありがとうございます。
裏剱ではお世話になりました。おかげさまで、良い山行ができました。
鳳凰三山はいかがでしたか。イタリアとはすごいですね。
私は今日、秋田県北部、白神山地の小岳に登ってきました。
ブナの黄葉がとてもきれいでした。

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