パラダイスのBogatimon小屋2018/07/31 22:43

Bogatimon小屋
 ボーヒン湖近くのサビチャの滝からカルスト台地上のBogatimon小屋までは登り3時間余りの行程だった。幅広の勾配の緩い山道で、要所要所が石垣で整備されていた。坂が緩くなり木がまばらになると、花が多くなってきた。日本ではハクサンイチゲなど湿性のお花畑が多いが、こちらでは乾いた土地に咲く花が多く、ウサギギクに似た花や、ハクサンチドリに似た花などが咲いていた。台地に出て小屋を見晴らす小高い場所に着くと説明板が有った。「第一次大戦時に軍のキャンプ地になった所」と記載されていた。
 小屋は英語を少し話せる30歳くらいの女性と、英語を話さない40歳位の女性の二人で切り盛りされていた。山岳協会で管理されているそうで、女性達は雇われて働いている様子だった。30歳くらいの女性に受付してもらった。「働き始めて4ヶ月だけれど日本人は初めてだ」と言われた。夕食に何を食べるか聞かれ迷っていると、ネットを使って日本語訳してくれた。「キャベツのスープ」と仮名で訳された料理を注文した。食堂の壁には3週間ほど前に訪れた小学校低学年の子供達の絵が10枚ほど張られていた。遠足でここまで来ている様子だった。2階の寝室へはスリッパに履き替えて登った。滑り止めの絨毯が階段各段の中央に扇形に貼られていた。センスの良さを感じた。部屋はきれいで、2段ベッドも真新しかった。まるでペンションのような雰囲気だった。
 時間が早いので周囲のお花畑を散策した。60歳代のアメリカ人が通りがかり「初めてスロベニアに来たけれど、こんな良いところとは思わなかった」と言った。一回りして戻ると受付してくれた女性が小屋前のベンチで本を読んでいた。この小屋が気に入ってる様子で「ここはパラダイスだ」と言っていた。宿泊は、他に赤ん坊と幼稚園児くらいの子供を連れたドイツ人一家だけだった。ちょうどお父さんが日帰りで行ったKRN山から戻ってきた。「往復7時間かかった」との事だった。片道5時間半のコースなので受付女性も驚いてた。夕食でキャベツのスープ(ザワークラウトと大麦の入ったスープ)をおいしくいただいた後、ドイツ人お父さんがKRNへの途中の写真を見せてくれた。途中の氷河湖がきれいに映っていた。一家は、ここに3泊しているそうで、この山小屋が気に入っている様子だった。「どうやってここを知ったのか」と聞かれたので、英語で詳しく説明できなくて「地図で見て知った」とだけ答えた。寝る前には子供の作ったくじ引きの相手をさせられた。結果が「悪い人」との事になったので、残念な表情をしたら、子供はとても喜んでくれた。
 夜間に雨が降ったせいで、翌朝、外のベンチは濡れていた。朝食を食べ終わり、外で出発準備をしていると、ドイツ人一家が外に出てきた。朝食を外で食べるらしかった。「濡れてますよ」と伝えると、気が付いた小屋の40歳位の方の女性がベンチに毛布を敷いてくれた。こんなところで家族で朝食をするなんて、気分良いだろうな、と思いながら小屋を後にした。

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