船窪小屋のいろり2018/09/18 18:10

船窪小屋手前の紅葉
 北アルプス稜線で船窪小屋から烏帽子岳の間は歩いていなかった。今回、この稜線を歩くことを目的に船窪小屋を目指した。梯子の続く鼻突八丁を登り終えると紅葉がきれいになった。やがて、森林限界を越え、天狗ノ庭に着いた。展望が開け、下のダム湖が見えた。目を転ずると上の稜線は雲の中だった。天狗ノ庭を出発すると雨が降り出した。何とかレインウェアを着ずに済んだものの、小屋に着いた時は服は湿ってしまった。
 この日の船窪小屋の宿泊は13人組ツアー客、女性ガイドに連れられた客3人(女性2人男性1人)の4人組。個人客は我々含め6人だけだった。13人組は我々の少し前を七倉から上がってきた人たちで、明日は烏帽子岳に向かうとのことだった。後から着いた4人組は針ノ木小屋から来たとの事で宿泊手続きが終わると女性ガイドがロープを片付けていた。団体客に混ざっていろりのそばで服を乾かした。
 夕食後、再びいろりに行ってみると、上にランプが二つ点灯されていて、従業員が横で遅めの夕食を食べていた。やがて4人組のうちの女性3人がやってきた。女性ガイドは少し日焼けして精悍な感じだった。女性二人は30歳くらいで、一人は少し背が高くて細身、もう一人は丸顔でぽっちゃりした感じだった。女性ガイドに「ロープは使ったんですか」と聞くと「使おうと思ったけれど大丈夫そうだったので使わなかった」との返事だった。しばらく話すうちに残りの男性1人もやって来て賑やかになった。男性は50歳くらい。丸顔で少し太り気味だった。男性の靴下の事が話題になった。細身の女性の方から「靴下は何足持ってきましたか」と聞かれたので、「2足」と答えると、「この人は6足も持ってきたんですよ。信じられますか」と男性を指差してあきれたような顔をした。男性も負けずに「俺なんかパンツを3つ持ってきたんだぞ。さっきみんながいなくなった時に、こっそり履き替えたんだ。途中で戻って来たらどうしようかと思っていたんだ」とやり返していた。
 翌朝は霧雨が降り、風が強かった。13人組ツアー客は烏帽子岳への縦走をやめて、船窪小屋に連泊し、反対側の蓮華岳方面を往復するらしかった。我々も縦走はあきらめ、そのまま下山する事にした。不完全燃焼の山登りになってしまった。濡れた紅葉を恨めし気に見ながらゆっくりと下った。

コメント

_ カモシカ永井 ― 2018/09/24 13:10

片平さんこんにちは。
船窪小屋から烏帽子岳までの稜線が高度を落としますが船窪岳・不動岳・南岳と激しいアップダウンの連続で気が抜けないですね。
私は幕営支度で2回ほど歩いていますが2回目は烏帽子のキャンプ場に辿り着くのがやっとだったこと覚えています。
船窪キャンプ場の水場か崩壊地を少し下る危険個所ですがとても美味しい水が取れます。

_ 片平俊介 ― 2018/09/25 11:33

カモシカ永井さん、こんにちは。
今回は天気が悪くて残念でした。次回、船窪~烏帽子の稜線を再挑戦したく思います。水場の水も楽しみにします。

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