葉山の熊2018/10/11 14:10

葉山からの紅葉の森の下り
 葉山へは山形鉄道フラワー長井線の白兎(しろうさぎ)駅から歩き始めた。黄金色の田んぼの先に目指す葉山が見えた。1時間近く歩くと登山口で、尾根の道になった。周囲はブナ林で、足元にはキノコが多かった。
 山頂手前には水場が有った。水量が豊かだった。「鉾立の水」との表示が木に取り付けられていた。水場から約10分で山頂の避難小屋に着いた。隣りには神社の祠が二つ有った。小屋は築50年以上たっていた。しっかりした造りで中は清潔できれいだった。
 まだ時間が早かったので避難小屋から歩いて15分ほどの奥ノ院まで行ってみた。奥ノ院は眺めが良く、正面には祝瓶山が三角形にきれいに見えた。周辺は潅木帯で紅葉がきれいだった。景色を楽しんでいると少し下の谷間からがさがさと音がしてきた。目をこらすと木が大きく揺れていた。どうやら熊らしく距離は100m程だった。やがて熊の黒い背中が木の間に見えた。手を叩いたりして、こちらの存在に気付かようとしたが、全然気が付かない様子だった。段々近づいてきて80m位の距離になった。これは登山道に出てくる前に引き上げた方が良さそうだ。大声を出しながら引き上げることにした。奥ノ院からの最初の下りは、むしろ熊の方に近づくので良い気持ちはしなかった。小屋近くまで戻ってようやくほっとした。
 熊は小屋の近くまでは来なかった様子で、翌朝は何事も無かったかのように夜が明けた。あたりは霧に覆われていた。霧の中、紅葉の森を下って行った。霧は下るに従い晴れて来た。麓の公園「縄文の里」に着く頃には青空が広がって、すっかり暑くなった。