志賀高原の笠ヶ岳に登る2019/09/02 13:20

笠ヶ岳に向かって牧場を登る
 夏の最後は志賀高原の笠ヶ岳に登ることにした。前日は山田牧場のキャンプ場に宿泊した。涼しくて快適だった。他にも10組ほどキャンプしている人達がいた。今回の参加は10人で、シートを敷いて丸く集まり、持ち寄った食べ物を食べながら夕食を楽しんだ。他のグループでは暗くなってから焚き火を楽しんでいる人達もいた。
 翌朝は曇り空だった。隣りのテントの住人に「気をつけて」と声をかけられながら出発した。歩き始めると、すぐに牧場の入口に着いた。電気柵が有り、足元には白い消毒用の粉がまかれていた。柵のワイヤーに触れないよう注意しながら柵をいったん取り外して牧場に入った。冬はスキー場のゲレンデになる広々とした牧場では、端の方に牛が7-8頭いた。牧場が終わると急坂の登りになった。ロープを掴みながら滑らないよう注意して登った。舗装された林道に出るとすぐに「峠の茶屋」だった。まだ時間が早いせいか誰もおらず、ちょうど車でやってきた山慣れした感じの夫婦が登り始めた所だった。
 茶屋からは階段の付いた山道になった。最後の岩場を登ると大きな岩と小さな祠の有る山頂に着いた。眺めが良く、北アルプスが横に連なって見えた。先着していた夫婦に集合写真を撮ってもらった。
 「峠の茶屋」までの戻りでは子供連れの家族4人を含め登山者9人とすれ違った。天気は良くなり青空が広がってきた。牧場まで下ると牛がゲレンデの中央まで出てきていた。のんびりと草を食べる牛のすぐ横を通ってテントに戻った。

みちのく潮風トレイル 普代村を歩く2019/09/09 14:36

普代への下りの沢
 みちのく潮風トレイル第三回目は普代(ふだい)村から田野畑村を経て岩泉小本まで歩く事にした。出発は三陸鉄道の堀内(ほりない)駅で、しばらく車道や林道を海や山の景色を眺めながら歩いた。普代への下りになると沢になった。全くの沢で道という感じがしなかった。ぬかるみや滑りやすい岩の上を靴を濡らしながら下った。「みちのく潮風トレイル」は並の遊歩道とは違うと再認識した。下りた所は普代村の学校裏で、普代村パンフレットには、かつてこの道は通学路だったと書かれていた。
 村の中心にある食料品店では夕食にするほうれん草やトマトを購入した。魚も売っていて「マンボウも有るよ」と見せてくれた。料理できそうにないので購入しなかった。16時を過ぎていて、駅から宿泊予定の黒崎のキャンプ場までタクシーで向かう事にした。タクシーを呼ぶと、「今、運転手がバスを運転していていないので少し待ってくれ」との事だった。15分ほどするとタクシーがやって来た。「別の仕事をしていて、電話で呼び出された」と言っていた。
 キャンプ場は松の木の生えている雰囲気の良い所だった。管理人さんによれば、「松の枝が落ちてくることがある」との事で、枯れ枝が上に無い良い場所を教えくれた。この日のテントは他に二張りで、それぞれバイクで来ている女性、男性の単独行だった。翌日、女性は北の種差海岸まで、男性は南の気仙沼まで行く、との事だった。バイクだと我々とは行ける距離が違うとあらためて思った。
 翌日は、テントを設営したままで、町営バスで普代駅へ戻り、午前中、みちのく潮風トレイルの寄り道ルートを鵜鳥(うのとり)神社まで行った。昼頃に普代中心部に戻り、食堂で冷麺を食べ、駅の売店で昆布クッキー、昆布まんじゅうを購入し、昆布ソフトクリームを食べた。午後は、前日やり残した普代駅から黒崎キャンプ場までのルートを歩いた。2泊目のキャンプ場には他のテントは無かった。夜中の2時頃にドサッと何かがテントの上に落ちてきて驚いた。松の枝が落ちてきたのかと思った。朝、テントの回りを見ると松ぼっくりが一つ落ちていた。

みちのく潮風トレイル 田野畑村を歩く2019/09/10 15:32

鵜の巣断崖
 黒崎キャンプ場からの「みちのく潮風トレイル」はなだらかな登り下りのある整備された歩道だった。道脇には秋らしくキノコがたくさん生えていた。田野畑村に入るとすぐ三陸海岸の名勝「北山崎」に着いた。展望台からは南へ荒々しい断崖が続いていた。ビジターセンターに寄り、田野畑村で作られたアイスクリームを食べた。暑い日で水もたっぷりと補給した。
 北山崎から明戸海岸までは登り下りの多い道だった。海岸段丘になっていて、海に流れ込む沢が現れる毎に下っては登るを繰り返した。最後の方では海岸まで下った。昆布を干している人がいて「気をつけて」と声をかけられた。進んで行くと岩にくりぬかれた手堀のトンネルが二つ有った。長さは100m以上と思われ、ヘッドランプを頼りに通った。明戸キャンプ場でテントを張り、荷物を置いて更に1時間半ほど歩いて島越(しまのこし)駅まで行った。キャンプ場への戻りは三陸鉄道とバスを使った。
 最終日はテント撤収後、島越駅からの続きを歩いた。鵜の巣(うのす)断崖では車で来た夫婦の観光客がいた。「こんな良い所なのに貸しきりでしたよ」と言っていた。展望台は高さ150mほどの断崖の上に有り、見下ろすと北へ荒々しい断崖が続いていた。
 鵜ノ巣断崖からも登り下りを繰り返し、沢を幾度か渡った。予想より歩きやすかったので予定より早く小本川に着いた。最後は列車に間に合わせるため少し急ぎ足で駅まで歩き、今回の予定を終了した。

チロルのザイコーゲルに登る2019/09/11 15:15

ザイコーゲル山頂からの展望
 チロルのエッツタールでは谷の最奥部を山小屋二泊で周遊することにした。途中ではザイコーゲル(Seikogel 3355m)にも登る予定だった。谷の最奥の村、Vent(フェント)からリフト2基で標高を稼ぎ、最初のピーク、ヴィルデス・マンレ(Wildes Mannle(3023m))に登った。日帰りの家族連れが多かった。展望を楽しみながら下ると宿泊する山小屋、ブレスラウ・ヒュッテ(Bresslauer Hütte)に着いた。大きい小屋でチロル最高峰のヴィルトシュピツェ(Wildspitze 3768m)の基地になっている小屋だった。靴置き場にはゴツい靴がたくさん並んでいて驚いた。
 翌朝には、ヘルメットとハーネスを付けた登山者が次々と上に向かう道を登っていった。我々はU字谷の中腹を横切る道を進んだ。途中の山小屋(フェアナークトヒュッテ Vernagthütte)では、時間が有ったのでハーブティーを飲みケーキを食べた。マーモットが小屋の近くにいた。更に2時間余り歩くと、この日の宿泊小屋(ホッホヨッホ・ホスピッツ Hochjoch Hospiz)に着いた。時間があったので、テラスで午後の日を浴びながら、チロルのリキュール、シュナップスをゆっくり飲んでくつろいだ。
 最終日はザイコーゲル(Seikogel 3355m)を通って谷の反対側に下り、Ventに戻る予定だった。あいにく曇り空で、途中では雨が降った。山頂手前では雪に変わった。雪の付いた岩場を三点確保しながら登るのは、あまりうれしくない気分だった。着いた山頂には誰もいなかった。幸い雪は5分ほどでやみ、青空が出始めた。氷河を抱いた周囲の迫力有る山々の展望を1時間ほど楽しんだ。
 谷の反対側への下りは緩やかで、放牧の羊もいる牧歌的な雰囲気の道だった。ザイコーゲルへの登り下りでの唯一の登山者一人とすれ違った。小屋(マルティン・ブッシュヒュッテ Martinbuschhütte)まで下ると、イタリアへの峠越えルートが通っているためか10数人の登山者で賑わっていた。食堂に入りコーラを飲んで一休みした。小屋から出発点のVentまでは、次々と登ってくる登山者とすれ違った。

チロルのクノーテンシュピッツェに登る2019/09/12 14:30

クノーテンシュピッツェの山小屋
 チロル山登りの終盤はシュトゥバイタールにあるクノーテンシュピッツェ(Knoten Spitze 3084m)に一泊二日で登ることにした。リフトもロープウェイも無い山で、小屋(Neue Regensburger Hütte)までは標高差約1000m、山頂までは更に約800mの健脚向けの山だった。一日目は霧だった。地味な山な上に天気も今一歩なので、小屋はすいているだろうと予想した。
 登って行くと、霧の中に小屋が見えてきた。小屋の半分は真新しい木の壁になっていて最近増築された様子だった。受付は賑わっていて、今日は混んでいると言われてびっくりした。我々の4人個室は、増築された側に有り、読書灯の付いたきれいなベッドと荷物置き場が備えられていた。食堂は調度品も新しくてきれいだった。山小屋と言うより、リゾートホテルのような感じだった。夕食はグループ毎に場所が予約されていて、自分の名前「KATAHIRA」が記載された置物がテーブルの上に有った。チロルの民族衣装の黒いスカートをはいた女性スタッフが注文を取っていた。ビール500ml(4ユーロ 約480円)を注文すると、受付時に配られたカードを読み取り機にかざし、注文データをホストコンピュータに転送していた。夕食後、受付にカードを出して、1泊2食の宿泊費と注文データに従った料金を支払った。2食付きで51ユーロ(約6100円)だった。
 翌日は良い天気だった。カールの底をしばらく登った後、カールの縁から山頂に向かって岩場をワイヤーにつかまりながら登った。山頂は双耳峰だった。ジャンダルムのようにそびえる50m程先のピーク(3101m)へは登山道が無かった。試しに途中まで行ってみたが、難しくて引き返した。
 下りでは雲行きが怪しくなってきた。後半になると雨が降り出し、やがて本降りになった。樹林帯に入る手前に小さな山小屋が有った。中に入って一休みし、暖かい物が飲みたかったのでホットミルク(1.5ユーロ 約180円)を注文した。おいしかった。小屋を出発する時には小降りになっていた。

奥多摩 檜原村の大岳沢を登る2019/09/24 13:42

大滝を望む
 19日に奥多摩、檜原村の大岳沢を遡行した。前年、台風の二日後に行って水量が多く、途中で遡行を断念した沢だった。今回は再挑戦だった。
 沢の水量は前回より少なかった。前回は水しぶきを浴びながらの遡行に嫌気が差し、大滝で遡行を中止していた。今回は流れもゆるやかで、膝位の深さでも歩きやすかった。楽しみながら登って行くと、前回、苦労して着いた大滝に、あっけなく着いてしまった。「こんなに短かったんだ」どびっくりした。滝壺まで行き、滝の冷気を浴びながら一休みした。
 大滝を登山道で巻き、再び沢に入って遡行を続けた。2mほどの小さな滝が多かった。何でもなさそうに見えた滝が、意外に難しかったりして、楽しみながら遡行する事ができた。横の登山道が沢から離れる地点で遡行を予定通り終了し、登山道に上がった。
 登山道を馬頭刈尾根まで登り、反対側の白倉バス停へと下って行った。白倉集落手前の前回は崩れていた斜面は、しっかりと補修されていた。そこだけ木が生えていない事をのぞけば崩れた跡とは思えなかった。

好天の西穂高岳に登る2019/09/25 13:07

西穂高岳への登りで東方を望む
 週末は西穂高岳に登った。予報では翌日まで天気は悪かった。上高地からの登り途中で霧雨になった。西穂山荘に着いた時は本降りだった。とりあえずレストランに入って休もうと荷物を小屋の軒下の棚に整理して入れた。近くにいた50歳代の女性は「予約していたけれど泊まらずに下ります」と話していた。
 14時まで待っても相変わらず本降りなのでテントはあきらめて小屋泊まりに変更する事にした。この日の宿泊者は30人ほどで三連休にもかかわらずすいていた。外のテント場も20台前半の女性二人のテントが二張り有るだけだった。夕食時、気象予報士の資格の有る支配人から明日の天気の解説が有った。「午前中は雨が降ったりやんだりで、午後になると風も強まって、ロープウェイも止まるかも知れない」との事だった。
 翌朝、雨はやんでいた。朝食をキャンセルしていた我々は、早めに出発した。雲は次第に晴れて青空が出てきた。西の笠ヶ岳には朝日が差し、東には遠く富士山が見えた。独標まで登ると、小屋で朝食を食べてきた30代の単独行が追いついて来た。「朝食の時にいましたか」と聞かれたので、朝食抜きで出てきた事を伝えた。「朝食時にも支配人の天気説明が有り、昨日とは変わっていたんです。『雲の付き方が変わったので午前中は問題ない』との事でした。何だか言い訳みたいでした」との話だった。登山者6人とすれ違い西穂高岳山頂に着いた。誰もいなかった。すぐ後を登って来た単独行者と写真を撮りあった。
 登山を無事終え、予定より少し早く上高地に着いた。トイレ前で掃除に来ていたボランティアの男性に「どこに行ってきたんですか」と声をかけられた。「西穂です」と答えると「天気が良くて良かったですね」と言われた。