北上川沿いに「みちのく潮風トレイル」を歩く2022/07/02 16:50

北上川の土手を歩く
 28日から1日にかけて「みちのく潮風トレイル」の南三陸町から石巻市の北上、河北、雄勝にかけてを歩いた。初日の神割崎キャンプ場ではキャビンを借りて宿泊した。涼しい風に吹かれて快適に過した。
 二日目は暑い日だった。.白浜海水浴場では海風に吹かれながらベンチに座って休んだ。横の更衣室の軒下には子育て中のツバメが巣の中に出入りしていた。川のビジターセンターでは係の男性に「お時間あればコーヒーを飲んでいきませんか」と勧められ、パプアニューギニア産の豆をひいたドリップコーヒー200円をいただいてくつろいだ。
 釣石神社には売店が有り弁当を販売していた。玉こんにゃく100円を所望すると女主人に「ごめんなさい。土日だけで今は無いんです」と謝られた。それでも日向のベンチに座って休もうとすると、「お茶っこ飲んで行きなさい」と冷たいお茶を勧めテントの下に招き入れてくれた。「潮風トレイルなの」と聞かれ、ハイカー達の寄せ書きをしたノートを見せてくれた。今月は始めに一人の記載が有るだけだった。記載後、女主人に頼まれて一緒に写真を撮った。ゆっくり休んだ後、お茶のお礼を言って出発した。
 次の丸山地蔵尊は四角い台座の上に約2mの大きな地蔵が座っていた。顔の向きが少し左を向いていた。そばの休憩所を通りかかると中にいた男性が手招きして入れてくれた。冷房の効いた涼しい部屋だった。男性によれば、地蔵は津波に流されて元の場所とは少しずれたところに置かれているとの事だった。所有者の息子さんは津波で亡くなった大川小学校の教員との事で、顔の向きを大川小学校の方を向けて再建したとの事だった。休憩後、北上川対岸の旧大川小学校遺構を眺めながら大須バス停まで歩き、この日の暑いトレッキングを終了した。

みちのく潮風トレイルのムラサキウニ解禁2022/07/03 15:29

最終日、道の駅への途中で
 28日からの「みちのく潮風トレイル」トレッキングも3日目に入った。朝から暑い日だった。バス停で待っていると隣りの民家の女性が「昔は販売機が有ったけれど無くなっちゃって」と言いながら280ml入りのペットボトルのお茶を差し入れてくれた。
 バスで大須まで行き昨日の続きを歩いた。大川小学校の震災遺構を見学し、長面浦(ながつらうら)まで来た。工事の作業者に「どこまで行くの」と聞かれ「大須崎まで」と答えると、「歩いてですか。暑いので気をつけて下さい」と励まされた。峠の山道を越え、名振漁港に出ると車道歩きになった。暑さに耐えながら一つ岬を越えると船越に着いた。港の番屋の軒下で大の字になって冷たいコンクリートで体を冷やした。首にも濡らしたハンカチを巻き付け何とか復活してきた。次の荒峠は冷たい風が吹き抜け気持ち良かった。荒浜海水浴場では砂浜の大岩の陰で休んだ。ようやく元気が出てきた。コーヒーを飲んでゆっくりした。
 この日の目的地の大須埼灯台は、まわりに花が植えられてきれいだった。金華山を眺めてゆっくりした後、民宿の迎えの車に乗り込んだ。10分ほどで隣の集落、桑浜に有る民宿に着いた。この日がウニの解禁日との事で、夕食には一人一個のムラサキウニが振る舞われた。味噌汁には大きなシジミが入っていた。尋ねると「北上川のベッコウシジミで震災で採れなくなったけれど2年ほど前から採れるようなった」との事だった。朝食は地元岩のりをたっぷり乗せたご飯がおいしかった。
 最終日は車で大須埼灯台まで送ってもらい続きを歩いた。白銀神社の灯台付近にはカンゾウが咲いていた。桑浜漁港で休憩後、坂を登ると民宿の前に出た。中でおかみさんが作業をしているのが見えたので手を振って挨拶した。道の駅まで歩き、今回のトレッキングを終了した。おみやげに泊まった民宿のおかみさんの写真が入ったワカメとフノリを買った。道の駅のウッドデッキで涼しい海風に当たりながら帰りのバスを待った。

谷川岳主稜線を縦走して山小屋へ2022/07/11 21:33

万太郎山への登りで
 7月8日から10日まで谷川岳の稜線を縦走した。初日はロープウェイのレストランで冷たい清水をつめてから出発した。谷川岳にしては少なめの登山者とすれ違いながら肩の小屋から谷川岳山頂のトマノ耳まで登った。霧のため隣りのオキノ耳がかろうじて見えただけだった。縦走路に入るととたんに人が減った。出会ったのは途中で「大障子避難小屋」に泊まると言う単独行に抜かれただけだった。大障子避難小屋の宿泊は我々以外は先ほど会った一人だけだった。水を汲みに行っている間に雨が降り出した。小屋に戻り冷たい沢水で割ったウイスキーを飲んでいると天井から水がポタポタ落ちてきた。どうやらボルトあたりから染み出ている様子だった。持参したテントのフライシートを張り、たるみを押さえるためポールも入口と棚との間に渡した。何とか雨漏り対応ができて快適になった。幸い雨は夜になってやんだ。翌朝、フライシートを確認するとコップ一杯ほどの水がたまっていた。
 二日目は快晴だった。万太郎山への登りになるとあちこちでニッコウキスゲのお花畑が有った。暑い日でエビス大黒の頭への登りでダウンしそうになった。体を冷やすため涼しい風の通る場所で昼食休憩を取っていると、後ろからトレイルランナーが歩いて登ってきた。そのまま抜いて行くのかと思ったら、我々と一緒に休み、魚肉ソーセージを食べながら、「朝、土合を出発した。ほとんど歩いてきた。今日中に平標登山口に下山するつもりだ」との事で、「途中の水場で水を補充したけれども暑さで足りなくなった」と言っていた。
 仙ノ倉山と平標山を越えると、ようやく宿泊予定の「平標山の家」に着いた。避難小屋スペースで夕食を食べ終わった頃に、小屋の若いオーナーと宿泊者の計4名がお酒とつまみを持ってやってきた。皿につまみを山盛りにした後、「これは愛媛の酒だ。珍しいぞ」などと言いながらお酒をみんなに振る舞ったので遠慮無くいただいた。オーナーの四国八十八箇所巡りや熊野古道の半端ではない苦労話を聞いてかなり盛り上がり、気がついたときは9時半を回っていた。
 最終日は少し雲がかかり前日よりは歩きやすかった。大源太山を経由して浅貝へ下山した。三国街道沿いの宿で入浴後、バスで越後湯沢駅に出た。日本酒と「へぎ蕎麦」で打ち上げをしながら満足した山行を振り返った。

強風の美瑛岳2022/07/18 15:51

虹を見ながら美瑛岳の巻道を行く
 14日から十勝連峰を歩いた。初日は白金温泉のキャンプ場から歩きだした。25分ほど歩いた林道ゲートで休んでいると、車でやってきた北見の男性登山者が登山口まで乗せてくれた。1時間ほど歩きを省略できた。幸先の良いスタートだった。
 見頃のイソツツジやチングルマを楽しみながら登った。予定よりだいぶ早く美瑛富士避難小屋に着きテントを張った。付近には水が無かったので途中の雪渓まで戻って水を得ることにした。雪渓は水が流れていなかったので雪を削って持ち帰った。テントで雪を溶かすと線虫が沈んでいた。「気持ち悪い」など大騒ぎになった。とても煮沸しただけでは飲む気にならず浄水器で浄水した。結局4リットルほどの水で5匹ほど線虫が出てきた。浄水した水で水割りを飲んでようやくくつろぐ事ができた。隣りのテントには、朝、車に乗せてくれた男性がいた。顔を合わせると「線虫で盛り上がっていましたね」と言われた。
 翌日は霧で風も強かった。美瑛岳から十勝岳への縦走はあきらめ白銀荘へ下山することにした。最初の美瑛富士の巻道には雪渓が有った。先が霧で見えなかった。居合わせた小屋にいた夫婦が先に渡ってくれ、恐る恐る渡る我々を見守ってくれた。美瑛岳の巻道に入ると、若い女性が追いついてきた。「美瑛岳は強風だった。十勝岳は諦めて下山して来た」との事だった。
 やがて天気が良くなり、下の平地が見えてきた。虹が下に見えた。エゾコザクラやイワブクロを楽しみながら白銀荘へと下山した。テント設営後、温泉に入りさっぱりした。冷たい富良野ワインを購入し、テントで乾杯した。

お花畑を楽しみながら富良野岳に登る2022/07/19 13:27

富良野岳からの下り
 14日からの十勝連峰登山も16日の最終日になった。富良野岳を日帰りで登ることにした。白銀荘のテントに余分な荷物を置き、バスに乗って十勝岳温泉まで行った。駐車場には車があふれ道の路肩にも停めてあった。歩き始めは晴れだった。一方、行く手の富良野岳には霧がかかっていた。ナナカマドの花やチシマノキンバイなとの高山植物を楽しみながら登った。次々と下山者とすれ違った。
 稜線の分岐点まで登ると一面の霧になった。風も強く、レインウェアを防寒のために着た。山頂に向け稜線を歩き始めると次々とお花畑が現れた。コマクサ、チングルマ、ウサギギクなどを楽しみながら登った。途中でエゾルリソウの花を楽しんでいると、下山して来た人が「山頂手前にはアズマギクも咲いているよ」と教えてくれた。
 山頂近くまで登ると幸いなことに霧が晴れてきた。今まで霧だったせいか山頂の登山者は意外なほど少なかった。風が強かったので風が避けられる風下側で休んだ。周辺の山々を見ていると、やがて十勝岳にかかっていた霧も取れて尖った山頂が見えてきた。昼食を食べながらゆっくりした。しばらく地図を見ていて次に顔を上げると周囲は真っ白になっていた。あっという間の出来事だった。じっとしていると寒かったので下山することにした。
 下りでは登りの時よりもすれ違いが少なかった。無事下山したときに最後に一緒に歩いていた女性4人組に「お疲れ様でした」と言われた。予約のタクシーで白銀荘に戻りテントを撤収した。ソフトクリームを食べてバスを待った。バスで上富良野駅に出てJRで一駅乗った美馬牛(びばうし)に着いたときは18時半になっていた。ゲストハウスに入り缶酎ハイで祝杯を上げた。

野反湖でキャンプ2022/07/26 13:24

ニッコウキスゲを見ながらエビ山へ
 23-24日に野反湖へキャンプに行った。現地に着いたときはあいにくの雨だった。ビジターセンターでチェックイン後、コーヒーを飲みながら雨がやむのをしばらく待った。やがて雨がやんだのでテント場へ移動し、テントを張った。今回は8人で4張りだった。久しぶりのテントの人もいて、まごつきながらの設営だった。
 設営後、軽い荷物になってエビ山に向った。霧のダケカンバの森を登って行くと草原になった。ニッコウキスゲやクルマユリがきれいだった。幸い霧も晴れて来て山頂からは南の景色が良かった。三脚をテントに置いてきてしまったのでザックを立ててカメラの台にしようとしていると反対側から林野庁のパトロールの3人がやってきた。写真を撮ってもらっただけでなく、全員が花の写真の付いたしおりをもらった。「ぬかるみが多いから気をつけてね」と言いながら先に下っていった。テントに戻ってからはテーブルを囲んで8人が座り、夕食前のひとときを歓談して過した。
 翌朝は曇りだった。荷物をテントに置いて野反湖一周に出発した。東岸は、お花畑が多かった。クルマユリやニッコウキスゲ、イブキトラノオが咲いていた。分らない花の名前を調べ、写真を撮りながら歩いたので予定よりだいぶ時間がかかってしまった。野反峠でニッコウキスゲ群落を眺めた後、西岸に入った。ダケカンバの森が多くなり花は少なめだった。最後になってきれいなヤナギランの群落が有った。「テント場のこんなに近くにきれいなところが有ったんだ」と驚いた。
 テントを撤収しビジターセンターでシャワーを浴びたりしてゆっくりしてから帰りのバスに乗り込んだ。久しぶりのテント泊を思い出した人もいて、少しまごつきながらのテント山行だったものの、花がきれいで楽しかった二日間だった。