京都の山のハプニング2014/01/06 19:53

八丁平への下りで峰床山を望む
 旅にはハプニングがつきものだ。ただ山登りでのハプニングは、ほどほどにしたいものだ。
 年末、京都北山の峰床山に登った。JR湖西線の堅田駅からのバスは40人近い乗客で、びっくりしたが、ほとんどは武奈ヶ岳に登るらしく、峰床山の登山口のある葛川学校前で下車したのは一人だけだった。雪の積もった林道にはトレースが有った。谷の二股から林道を離れ登山道に入った。谷沿いに登山道は続くはずだったが、トレースは途中から山の斜面へと登っていった。あえてトレースのないところを歩く気にもならず、そのままトレースに従って登った。稜線までの距離の半分も過ぎた頃、トレースの主はあきらめたらしく引き返していた。舌打ちしながら、やむなくトレースのない積雪30-40cmの急な斜面を登る事にした。本来なら木の根や枝をつかんで登りたいところだが、すべて雪の下なので、仕方なくストックをついて腕に力を入れて体を引き上げて登った。
 稜線に出てからは本来の登山道のある中村乗越まで尾根伝いに移動した。乗越からいったん八丁平に下り、小川を渡って再び峰床山への登りに入った。と、ワカンのひもが切れてしまった。応急処置をして峰床山山頂まで登り、ここで持っていたシュリンゲを使って本格的に修理した。下山は西側の大悲山口のバス停へ向かった。ところが雪の尾根を下っている間にストックを折ってしまった。最後は、転げ落ちるように下って林道に出た。これまたトレースのない林道を集落まで歩き、集落からは除雪されているものの所々凍ってつるつるの車道を歩いてバス停にはバスの20分前にめでたく着いた。
 バス停には屋根の着いたベンチが有った。街灯があってバス停周囲は明るかったが、回りは真っ暗になった。一人ぽつねんと待っていたら、バス時刻の5分ほど前になってブーツを履いた20台の女性が一人やってきた。聞くと旅館で働いていて、おせち料理を作り終わったので、これから富山に帰省するとの事だった。私の歩いてきたつるつるの車道を30分近く歩いて来たそうだ。私の荷物を見て「山に登ってきたんですか?大変ですね」と言われたので「ええ、大変でした」と答えた。実際、このコースは二度と登りたくないほど大変だった。バスがやってきたので話は中断した。バスの中でも話し続けたかったところだが、乗客が10人ほどいたので結局話はできず、下車したときに挨拶を交わしただけだった。
 さて、この日のハプニングは、これで終わりではなかった。京都から電車で豊岡に着いた時、失敗した事に予約したホテルの名前をどこにも記録しておかなかったのだ。駅で見せてもらったホテルリストを見ても思い出せなかった。仕方なく電話を順番にかけ「今日、片平の名前で予約が入っているでしょうか?」と聞いた。最初の5件は、ハズレだった。駅員さんに「この窓口は何時までなんですか?」と申し訳なさそうに聞くと「本当は、もう終わりなんですけれど」との返事。更に1件かけて外れたときに電話がかかってきた。「何時頃つきますか?」とちょうど次に電話しようとしたホテルからの問い合わせの電話だった。かくして予約していたホテルに無事宿泊する事ができた。