山頂の先を楽しむ山登り2010/07/05 21:29

雷電山のお花畑
 週末は北海道の雷電山に登った。日本海側の登山口、朝日温泉から山頂までは樹林帯やハイマツで単調な登りだった。咲いている花と言えばゴゼンタチバナが目立つ程度だった。期待した日本海の展望も霧がかかってぱっとしなかった。
 良かったのは山頂を過ぎてからだった。山頂を少し過ぎるとお花畑が広がっていた。ニッコウキスゲやトカチフウロ(チシマフウロかも知れない)がたくさん咲いていた。さらに進むと五ツ沼の湿原だった。木道も敷設されず原始の姿のままだった。人は誰もいなかった。
 多くの人は山頂まで来て引返すのだろう。雷電山の魅力を十分理解せず、記憶に残らない山になってしまうに違いない。残念な事だ。
 今回は山頂だけにこだわらず、縦走にしたから北海道の原始の魅力を味わえたのだと思う。これからも山頂の先を楽しむ山登りを続けたいものだ。

きれいな花を期待して赤兎山へ2010/07/08 22:24

 週末は福井県の赤兎山へ登る予定だ。前から登ってみたいと思いつつ、先延ばしになっていた山だ。と言うのは、以前、隣の三百名山、経ヶ岳に登った時、間近に見える形の良い赤兎山を見てから行きたいと思い続けていたのだ。
 ガイドブックによると山頂付近はニッコウキスゲが咲いているらしい。ちょうど見ごろだと思う。期待したい。
 山頂近くに避難小屋が有るので、本来なら小屋で一泊したいところだ。でも福井県は行くのに時間がかかる。出発した日に山頂まで行くのは、少し無理がありそうだ。それに夏なら朝ほど天気が良い傾向があるけれど、梅雨時だとそうとも限らない。朝は霧がかかっていることも多く、日が高くなってから天気がよくなる事も多い。それなら山頂に付く時間は昼頃の方が良い。そう思って山頂近くの小屋泊まりはやめにしておこうと思う。
 たくさんのきれいな花を期待して行ってこようと思う。

雨の赤兎山2010/07/12 21:17

雨の中、ササユリを見ながら赤兎山を目指す
 天気が悪い日は、どこで計画をあきらめるか、見極めが難しい。週末の赤兎山も計画の変更がポイントだった。計画では鳩ヶ湯から小池公園まで行き幕営。翌日は六本檜まで登ってから稜線を杉峠、裏赤兎山と歩いて赤兎山山頂へ登り鳩ヶ湯に下山の周遊コースだった。朝、小池公園を出発する時は雨は降っていなかった。しかし1時間半ほど歩いたときに早くも雨が降り出した。前夜の予報では天気は悪くなる方向だったので、この時点で引返そうか迷った。実際、ストックの長さを下り用に長く調整しなおし、10mほど下った。ちょうどそのあたりは少し視界が開けていた。少し遠くが見えると気が変わるものだ。念のためもう一度ラジオで天気予報を聞いてみようと思い直した。降水確率50%だった。50%ならさほど強い降りにはならないだろう。考え直して登り続ける事にした。登って行くと、ササユリがきれいに咲いていた。我慢して登ると、必ずご利益があるものだ。
 さて雨は一向にやむ様子が無かった。杉峠を過ぎ、裏赤兎山へあと1ピッチになったところで雨は本降りになった。「これはあきらめて下山した方が良さそうだ。」そう思い、ガイド地図を見て、最も良い下山方法を考えた。それぞれのコースタイムを足してみた結果、結局「山頂まで行った方が良い」との結論になった。
 山頂台地の一角には避難小屋が有った。雨宿りしながらコースを検討してみた。ガイド地図には下山予定の鳩ヶ湯へのコースは「増水時通行不可」と書かれていた。もう一冊のガイドブックにも「降水時は増水して危険」と書かれていた。これは帰りの鳩ヶ湯からのバスの予約をキャンセルして別コース(小原峠経由のコース)で下山すべきだ。ところが小屋からは携帯が通じなかった。そこで山頂まで登ってから携帯をかけることにした。山頂まで一登り。ガスで展望は無かった。携帯を何度かかけたが容易に通じなかった。最後に山頂に立っていた60cm位の塔に登ってみた。ようやく携帯が通じてバスの予約をキャンセルする事ができた。「これで安全なルートを下山できる。」ほっとしたとたん不思議にも雨が小降りに思えてきた。
 最後は幸運にも小原峠に来ていた登山道刈り払いの人たちに車で作業道終点から小松駅まで送ってもらった。おかげで思いの外早い時間に帰宅できた。終わり良ければ全て良し。どこで計画をあきらめるかは、なかなか判断が難しいものだ。

青薙山へ2010/07/15 21:58

 週末の3連休は南アルプスの青薙山へ行く予定だ。実は北アルプスに行くか最後まで迷っていた。南アルプスにしたのは、南アルプスは梅雨が明けるが、北アルプスは明けない、との読みの結果だ。海の日の連休は毎年梅雨が明けるか明けないかの時で、どこへ行くべきか迷ってしまう。昨年は中央アルプスへ行き、3連休の中日は大雨だった。予報では南アルプス方面は天気が良さそうだ。
 南アルプスでも青薙山は地味な山でおそらく誰にも会わないのではと思っている。青薙山を選んだのは単に行った事がないからだ。標高は2400mと低めで梅雨明け後だと少し暑いかもしれない。樹林帯の多い静かな山を楽しんで来ようと思っている。

静かながらも、人の気配のただよう青薙山2010/07/21 21:12

所ノ沢越下の水場の幕営地
 週末の南アルプス青薙山は、誰にも会わないかと思ったら何人かの登山者に会った。物好きな登山者はいるものだ。
 静岡から畑薙第一ダム行きのバスは45~50人ほどの乗客で2台に増発されていた。このバス、乗り込んだときは座席ベルトがすべて結ばれた状態だったので、どうやら新車でこの日が初日らしい。それはともかく、畑薙第一ダムでほとんどの人が送迎バスに乗り継ぎ、実際に歩き出したのは3人だけだった。更に畑薙大吊橋で茶臼岳に向かう道と分かれた後は一人旅になり、予想通り静かな山歩きになった。幕営地の池の平では、こんこんと大量に湧き出す湧き水に驚いた。確かにガイドブックに「有数の好幕営地」と書かれるだけの事はある。他のテントは無く、水の音だけが響く静かな夜となった。
 二日目、途中でケモノ道に迷い右往左往した後に青薙山山頂へ。びっくりしたことに前方から一人登山者がやってきた。聞くと朝、畑薙第一ダムを出てきたとの事。どうやら右往左往している間に抜かれたらしい。「稲又山までピストンの予定だが、この先の道がはっきりしない」との事。一緒になって探し、無事稲又山への縦走路に入った。単独行は足が早く、先に行ってしまい、稲又山の5分手前で引返していくのにすれ違った。稲又山から更に所ノ沢越まで行き水場で幕営。まだ14時前だったのでこれから誰か来るかもしれないと、端に寄せてテントを張った。このままこの日も一人かと思っていたら、15時前に下から5人組が登ってきて通過していった。笊ヶ岳へ行くとの事だった。更に16時過ぎに畑薙第一ダムから青薙山~稲又山と、同じコースを1日で歩いてきた二人組がやってきた。聞くと「5人組は、この上の所ノ沢越でテントを張っている。」との事。更に「途中で単独行と出会ったでしょう?」と聞くと「出会わなかった」との返事。どうやらケモノ道ですれ違ってしまい、お互い分からなかったようだ。
 南アルプスの曲がりなりにも登山道のある山ともなれば、全くの無人はありえない。静かながらも、人の気配のただよう山だった。