八王子市の大洞山に登る2019/05/18 13:39

ヤマツツジを見ながら稜線を歩く
 5月12日の日曜日、高尾山の南にある大洞山を始めとする南高尾山稜を歩いた。今回は山岳会の山行で参加者は21名の大所帯だった。中には80歳代も半ばになろうかという会の最長老A氏も参加していた。A氏は久々の参加で、山登りも今年初めてとの事だった。21人はA氏を後から2番目、サブリーダーのB氏を最後尾に長い列になって歩いて行った。
 稜線は緑がきれいで、ヤマツツジやキンランなどの花々が咲いていて春を楽しめた。山道には適度にベンチとテーブルが配置されていた。A氏のリクエストで、ベンチが10分ごとに現れるたびに休憩を取った。最初は余裕のあったA氏も中盤を過ぎると休むたびに荒い息をハーハーさせていた。それでも、A氏は山登りの後の温泉とビールを楽しみにしているらしく、頑張って歩いていた。そして、ヘビースモーカーらしいA氏は、休むごとに煙草を1本吸っていた。
 最後の峠からは林道の下りだった。リーダーから「ここから林道なので今日の山登りはここでおしまいです」との案内があった。林道をゆるゆると下っていくと、いつの間にか最後尾の2人が見えなくなった。一人で立ち止まって待っていると10分以上たって二人がやってきた。「もうみんなは15分位前に行きましたよ」と伝えて一緒に歩き出した。林道は片側が沢になっていた。「そちら側は危ないので反対側を歩いた方が良いですよ」と川から離れるよう促した。A氏は素直に反対側に移動した。少し林道の勾配が急になった時、A氏は体に足がついていかなくなり小走りになったと思ったら、前に「どてっ」と転んでしまった。手を先に着いたので直接顔を打ち付けることは無かったものの額と唇を切ってしまった。着ていたワイシャツも太ったおなかのあたりがドロで汚れてしまった。B氏が応急処置をした。「ストックを使った方が良いですね」と伝えると手に持っていたストックを再度延ばし「XX会(山岳会の名前)もこれで最後だな」とつぶやきながら何とか立ち上がった。少し先で携帯が通じたので先行者に連絡を取った。集落に出ると先行者のうちの2人が待っていてくれた。タクシーを呼んでいて15分後には来るだろうとの事だった。A氏に畑の脇のコンクリートに腰掛けてもらい待っていると、近くにいた農家の男性が我々を見かねて駅まで送ってくれると申し出てくれた。男性の乗用車に乗り込もうとしている時にちょうどタクシーもやって来た。5人がタクシーと乗用車に分乗し、高尾山口駅まで行った。
 駅で車から降りるとA氏は「風呂に入ってビールを飲んでから帰る」との事だった。唖然とする我々にサブリーダーB氏が「仕方がないので今日は最後までつきあいます」と笑いながら言った。ここはB氏に任せることにして我々残り3人は電車に乗り込む事にした。