ニセコの山と沼巡り2021/07/05 15:11

チセヌプリへの登り
 6月30日はニセコの山と沼を周遊した。五色温泉を歩き出し、イワオヌプリの麓を通って最初に登ったのがニトヌプリだった。登山道には大きな岩が多く、思いの外時間がかかった。山頂からは、羊蹄山の山頂部が少しだけ見えていた。次のチセヌプリには高山植物が多かった。チシマフウロやニッコウキスゲ(エゾカンゾウ)を楽しみながら登った。下りでは渡島半島付近でのみ咲くフギレオオバキスミレが咲いていた。
 山を登った後は沼巡りだった。静かな長沼を過ぎると神仙沼(しんせんぬま)に着いた。湿原の木道沿いにはワタスゲが咲き、ハイカーも10人ほど歩いていた。時間が押していて長居できなかったのは残念だった。一見すると笹原の大谷地は、進んで行くとハクサンチドリやコバイケイソウがきれいに咲いていた。少し登り返すと大沼で、対岸にはイワオヌプリがくっきりと見えていた。
 緩く下って行くと白い砂の裸地になり硫黄の鉱山跡に着いた。ここは昭和12年まで硫黄の採掘をしていた所だった。イワオヌプリが間近になった。沢が流れていて靴底を濡らす程度の渡渉が有った。イソツツジの咲く潅木帯から赤土の斜面へと進みイワオヌプリの麓を通過した。最後に急な階段を下ると出発点の五色温泉に着いた。
 思いの外、一周するのに時間がかかってしまい、宿に着いたときは食事時間の25分前だった。あわてて温泉に入り汗を流してから食堂で冷たいビールで乾杯した。

竹の子採りの多かった目国内岳2021/07/11 14:30

目国内岳山頂からの展望
 7月1日はニセコの目国内岳(めくんないだけ)に登った。登山口の新見峠には10台ほどの車が駐車してあった。ちょうど地元の二人が駐車場周りの草刈りと、トイレの掃除をしていた。草刈り中の男性に「ご苦労様です」と挨拶すると、「山頂までどれくらいかかるのか?」と聞かれた。「往復4時間15分のコースタイムです」と答えると、「そんなにかかるのか」と言われたので、目国内岳に登ったことはない様子だった。
 登り始めのネマガリダケの密生地では5人ほどが山菜採り(竹の子採り)をしていた。うろうろと良い場所を探している二人組が「もう採られている」と嘆いていた。「もっと上の方まで行ったら、まだ有るんじゃないですか」と言うと「そんなに行ったら山登りになっちゃう。三合目くらいまでかな」と、ゆっくり登りながら答えていた。
 草地まで登ると風が少し強くなった。ハクサンボウフウやエゾカンゾウを楽しみながら霧の中を登った。山頂の手前で、急に大きな岩が出てきた。ちょうど下ってきた単独行者に「風が強いですね」と挨拶すると「虫がいないだけ良いよ」と言われた。山頂は岩峰になっていた。風も強くて落ち着かない雰囲気だった。岩陰で風を避けながら休んだ。時折、霧が晴れて岩内(いわない)の海が青く見えた。
 帰りは往路を下った。登山者数人とすれ違った。地元の人が多いらしく、長靴を履いた若い男性二人組もいた。二合目付近まで下ると、竹の子採りの人達はいなくなっていた。ただ、登山道に音をならしっぱなしの小型ラジオが一つだけ置いてあったので、まだ奥の方では竹の子を採っている人が残っているらしかった。

霧のニセコアンヌプリ2021/07/14 13:16

霧のニセコアンヌプリを歩く
 ニセコの最終日、7月2日はニセコアンヌプリに登る事にした。この日は、あいにくの霧だった。登山口のキャンプ場の脇では、朝の竹の子採りをしている人がいて熊よけのサイレンを鳴らしていた。入山届を見ると、この日は、まだ登山者は登っていない様子だった。10分程登るとサイレンがやみ、どうやら竹の子採りが終わった様子だった。最初の休憩時に、単独行者が抜いていった。
 登山道はよく整備されていた。霧の樹林帯を登って行った。視界が開けた所も霧で何も見えなかった。風も強かった。それでもニッコウキスゲ(エゾカンゾウ)などの花がちらほらと咲いていた。黙々と登って行くと、山頂手前で早くも抜いていった単独行者が下山して来た。どうしたのか尋ねると、「霧で風も強く、吹きさらしなので早く下山して来た」との事だった。
 山頂には誰もいなかった。霧に覆われ風も強かった。山頂標識前で記念撮影をした後、奥の避難小屋に入って休むことにした。避難小屋の中は、風が避けられ採光も良くて快適だった。長椅子に腰を下ろし、コーヒーとおやつを食べてゆっくりした。30分ほど休んでから、霧に覆われた山頂を後にした。山頂にいる間には誰も来なかった。
 下りでは意外にも登山者14人と次々にすれ違った。若い人が多かった。男女二人組からは「山頂もこんな感じですか」と聞かれた。「霧で覆われています」と答えるとがっかりしていた。登山口まで下ってようやく霧の下に出た。向かいのインフォメーションセンターで更衣室を借りて着替えをした後、車に乗り込み名残惜しいニセコを後にした。

八幡平の自然を味わう2021/07/16 14:33

火口を見ながら焼山に登る
 7月7日から9日までの三日間、八幡平を歩いた。初日は、雨の中、八幡平頂上から後生掛キャンプ場まで歩いた。雨で滑りやすくなった岩が多く苦労した。キャンプ場に着いた時には服はずぶ濡れになっていた。管理棟には乾燥機が有り服を乾かす事ができた。すっかり乾いた服で気持ちよくテントの中に入ることができた。
 二日目は焼山を周遊した。曇り空だった。ワタスゲの多いベコ谷地から地熱発電所横の樹林帯へと進んだ。湯ノ沢の登りでは足湯に入った。最後に荒々しい火口を見ながら登ると焼山山頂に着いた。トンボがたくさん飛んでいた。帰りは尾根伝いの道を下った。途中で年配の単独行者とすれ違った。我々とは逆コースを歩くそうで「熊に会いませんでしたか」と聞かれた。「地熱発電所あたりで3回通ったうち2回熊に会った」と言っていた。「熊の気配は無かった」と答えた。
 最終日は晴れだった。後生掛キャンプ場から大谷地、長沼を経由して八幡平頂上までの登りだった。大谷地への途中、ちょうど坂を登り切ったあたりで前の茂みから熊が急に現れた。距離12mくらいだった。大声を張り上げストックを身構えた。熊は1-2歩近づいて来て、1秒ほどこちらをじっと見た後、右手のヤブの中へ去って行った。恐る恐る熊のいた所を通過した。長沼では、あずまやに熊のかじった跡が有った。ここにも熊が出るらしいと思っていると、対岸から木の枝をバリバリ折る音が聞こえてきた。熊がいるらしかった。早々に出発した。
 急坂を登り終えると、やがて広々とした湿原に出た。コバイケイソウがあちこちに咲いていた。ようやく熊の出そうにない場所に出てほっとした。熊に会ったときに大声を出したせいか少し声がかれていた。ベンチに座り夏の雲を眺めながらゆっくりと休んだ。

野反湖から白砂山へ2021/07/23 13:11

野反湖キャンプ場
 19日午後3時過ぎに野反湖に着いた。涼しくて快適だった。湖畔の眺めの良い場所にテントを張った。翌朝は快晴だった。堂岩山から八間山へと野反湖東側の山を周回する予定で出発した。白砂山登山口には若い男性登山者がいた。どこに登るか尋ねると、「白砂山に登ります。先月、雷が鳴り雹が降ってきて途中で諦めたので、今回はリベンジです」との話だった。男性に続いて登り始めた。30分ほど歩いた渡渉箇所では山慣れた感じのカップルに抜かされた。
 鳥の声を聞きながらブナ林を順調に登って行くと白砂山と八剣山の分岐点の堂岩山に着いた。ようやく白砂山の姿が見えてきた。白砂山への稜線は展望が良さそうで、いかにも我々を招いている感じだった。予定より早く着いた事もあり、魅力的な稜線に惹かれて、我々も白砂山に向かうことにした。潅木や草地の続く稜線には、ニッコウキスゲやハクサンフウロが咲いていた。もうすぐ山頂という所では登山口付近で会った3人が下山して来た。リベンジの男性からは「あれっ、やっぱり来たんですか」と言われた。山慣れしたカップルには「山頂あけておきましたよ」と言われた。
 山頂には誰もいなかった。日差しが強く、トンボがたくさん飛んでいた。東へ続く県境稜線は、たおやかで、いつか行ってみたいものと思わせた。30分ほど休憩してから、後ろ髪を引かれる思いで下山を開始した。堂岩山からは予定の周回コースに入った。いつの間にか雲が出てきて雷の音が聞こえてきた。足早に小さなピークを次々と通過した。雷が近づいたので、最後のピーク、八間山では、山頂に寄らず手前の分岐から少し下がった樹林帯で休んだ。
 幸いにも雷は遠ざかり雨にはほとんど降られずに野反湖に下山した。ビジターセンターでシャワーを浴び缶ビールを購入した。テントに戻って乾杯し、ゆっくりと疲れを癒やした。

一之瀬川の支流の中瀬川を登る2021/07/26 15:11

中瀬川のナメを登る
 24日は奥秩父、一之瀬川の支流の中瀬川で沢登りをした。中島川橋に車を置き、まず作業道を歩き始めた。5分ほど登ると作業道終点で、男性二人組がテントを張っていた。休憩中らしく一斗缶の中で火をたいていた。挨拶すると、「この先は道が無いですよ」と教えてくれた。「すぐ沢に入るから大丈夫ですよ」と答えた。「釣りですか」と質問すると、「釣りに来たけれど道具を忘れてしまって、ここにいるんです」との話だった。
 沢の水は冷たくて気持ちよかった。傾斜も緩く、水の冷たさを楽しみながら登って行った。40分程登ると高さ3mのチョックストーン滝に着いた。左側の階段状の岩棚を登った。少しヌルヌルしていたものの、全員が無事クリアできた。
 滝から先はナメになった。足を踏み出す毎に渓流タビの両側をさらさらと水が流れ心地よかった。ナメが終わると倒木が多くなった。小さい倒木が多く、小枝をバキバキ折りながら進んだ。沢は次第に急になり、ごろごろした岩が多くなった。次々と岩を乗り越えて進んだ。やがて大きな一枚岩に突き当たり、手前を登山道が横切っていた。ここで遡行を終了した。
 帰りは登山道を下山した。時折、蛙や蛇が横切る登山道は、緩くて歩きやすかった。途中で雨が降ってきたものの車の所に戻るまでにはやんでいた。車に乗り込み、5分ほど走ると笠取山の登山口の作場平だった。下山して来たらしい登山者が5-6人休んでいた。