舞い上がっていく蝶2009/08/24 20:17

蝙蝠岳の登りで見たアサギマダラ
 お盆休みに南アルプスに行ったとき、蝶を見かけた。二軒小屋から蝙蝠岳に登っているときに、登山道のすぐ横の枝に羽を広げてとまっていた。日にあたって体を温めていたのだろうか。山登りしていると、蝶にはしばしば出会う。でも名前が分からないものがほとんどだ。普段、蝶の写真を撮ることは難しいのだが、ちょうどおあつらえ向きのポーズでとまっていたので、帰ってから名前を調べようと写真を撮った。
 帰宅後、蝶の図鑑で名前を調べてみた。容易に分からなかった。がっかりして、たまたま図書館で借りていた「昆虫の世界へようこそ」という本をぺらぺらめくっていたら同じ蝶が載っていた。「アサギマダラ」だった。もう一度図鑑を見返してみたら確かに有った。図鑑では標本のように羽を広げたポーズの絵が載っている。正しい図なのだろうが、現実の蝶とは、いささかかけ離れたポーズで素人には見つけにくかったようだ。この蝶は1000kmも移動するので知られている蝶だ。そう言えば、先日テレビで、この蝶を追いかけて移動距離を確かめる番組があったのを思い出した。
 話は変わり週末は富士山の寄生火山、宝永山に行った。そうしたらヒラヒラと蝶が南から舞い上がってきた。20-30秒に一匹くらいの頻度だったので、かなりの数だ。近くまで寄ってきたのもいた。「アサギマダラ」だった。宝永山はすでに2700mの標高がある。どこまで登っていくのかしら。富士山の山頂まで行くのかしら。
 南アルプスで写真を撮らなかったら、宝永山で蝶を見ても何も感じなかっただろう。おそらく、宝永山にいたほとんどの人は蝶を見ても何も感じなかったか、蝶自体に気付かなかったに違いない。自然の素晴らしさを感じることができた幸せに感謝しながら舞い上がっていく蝶をながめた。