宝達山に登る変人2013/01/07 06:59

宝達山山頂直下の登り
 山歩きすると予期せぬことが時々起こる。
 正月休みに能登半島の付け根にある宝達山(ほうだつさん)に行った。朝、自宅を出発。七尾線の免田(めんでん)駅を出発した時は11時を過ぎていた。登山口のある東間(あずま)集落まで1時間ほどの車道歩き。途中、民家の住人に「気を付けて」と声をかけられた。集落をすぎて林道を歩き続け、更に細い林道に入った。ところが稜線への登り口を見落とし50分ほどロス。ようやく小さな送電巡視路の標識を見つけ、稜線の鉄塔にたどり着いた。稜線にはトレースが有った。稜線を登ると「途中で引き返した」と言う単独行が下りてきた。その後も登り続けたが、結局、山頂近くの林道に出てトレースが無くなってすぐのところで15時を過ぎた。時間切れで引き返す事にした。下りは鉄塔からトレースに従ってまっすぐ下りて、うまい具合に東間集落に降り立った。16:35になっていた。雪の降りしきる中、駅に着いた時は暗くなっていた。
 翌日は晴れ。再度、宝達山にチャレンジすることにした。ところが駅を出発して25分歩いたところで駅に財布を置き忘れた事に気が付きあわてて引き返した。無事、財布を見つけ、再出発。9:20になっていた。途中の集落で、また「気を付けるように」と声をかけられた。何でも昨年遭難騒ぎが有り80人で捜索したとのこと。東間集落で「どこを登るのか」と聞かれたので「そこから尾根伝いに登る」と答えると「前に来たことがあるのか」聞かれた。さすがに前日来たと言うのははばかられたので「はい」とだけ答えた。東間集落から昨日の下山ルートの尾根伝いの道を取り最後はトレースのない車道を山頂へ。すでに時間は14時近かった。山頂から北アルプスに白い峰々が見渡せた。夫婦池を回ってから東間集落へ下山した時は昨日と同じ16:35になっていた。
 宝達山は山頂にアンテナの林立する山で、雪が無ければ大したことの無い山だ。こうした山に2日もかけて苦労して登るとは、まさに変人の山登り。今年も変人の山登りを続けようと思う。

近くの良い山2013/01/23 21:53

位牌岳からの下りで(手前は越前岳)
 何の苦労も無く登った山は、それなりに楽しいものだ。ただ、後々まで記憶に残るかと言えばそうでもない。むしろ苦労した山の方が、いつまでも覚えているものだ。
 週末の位牌岳は苦労した。山頂で積雪は30cm位。山頂からは往路を戻らず、北東側の田向への道を取った。トレースは無し。下りなら雪が有っても割と早く下りられるものだが、今回は違った。平坦なところや登り返しも多く、最初のコースタイム35分の前岳まで約1時間半もかかった。積雪は頂上よりも多く、膝あたりまで。一歩一歩進むのが大変だった。左手には富士山が見えていたが、とても楽しんでいる余裕はなかった。下山は暗くなるのではと思った。下山するに従い、雪も少なくなり、登山口には17時過ぎ、暗くなる直前に降り立つことができた。
 山頂で往路を戻るとの判断も有りえた。結果論から言えば、印象に登る山登りができたので、今回のトレースの無い新しい道に入って良かったことになる。ただ、実際のところは往路を戻るとの判断が正しかったのかもしれない。
 遠くの山にしばしば行っているが、ここ数ヶ月で一番良かったのは、何のことはない、近くの山だった。近くに良い山が有ることを思い知らされた。