素晴らしき山々

　朝の小田急線は遅れていた。東急田園都市線が止まっていて、振り替え輸送の客が多く来たため混雑し、遅れているとのことだった。バスに乗り換える新松田駅には20分以上遅れて着いた。予定のバスは、すでに出発済みで、仕方なく一本後のバスに乗ることにした。1時間近く有ったので喫茶店で時間をつぶすことにした。コーヒー１杯で1時間つぶすのは、少しきついので、モーニングを注文した。おかげで歩き始める前に余分にエネルギーを補給してしまった。
　バスには他の乗客が5人程いた。60歳位の女性から「シダンゴ山に行くんですか」と声をかけられた。どうやらこのバス路線ではシダンゴ山は著名な山らしかった。「山にはヒルはいますか」と聞くと「たくさんいる」との返事で、「この前もここを噛まれた」と腕をまくって見せてくれた。女性は「気をつけて」と挨拶して終点の手前で下車していった。
　バス終点の寄（やどろぎ）から歩き始めた。ずっと植林帯だった。幸いヒルには出会わず、無事山頂に13時前に着いた。山頂周辺はアセビの潅木に囲まれ周囲の山々が望まれた。ベンチが有った。この日は、里芋の煮物に焼酎と、いつになく豪華な昼食だった。周囲の山々を見ながら、ゆっくりと50分もくつろいでしまった。食後には隣りの宮地山へ向かった。宮地山付近は落葉広葉樹が多く、黄葉がきれいだった。
　帰りのバスも予定より1本遅かった。新松田駅で小田急線に乗り換え自宅最寄り駅に着いた時は夕食にちょうど良い時間になっていた。せっかくなので駅前のイタリアンレストランで祝杯を上げてから解散した。