中之島を歩く2018/03/20 10:15

底なし沼から御岳を望む
 トカラ列島最後の訪問地、中之島には朝着いた。港から直接、御岳に登り始めた。山へ向かう登りの車道に入るとすぐに野生のヤギがいた。我々を見ると逃げて行った。しばらくすると車が1台追い抜いていった。8合目にある登山道入口まで登ると先ほどの車が停まっていた。30歳代の作業者が3人いた。アンテナの保守で来たとの事だった。「ここまで歩いてきたんですか。時間はどれくらいかかりましたか?」と聞かれたので「3時間位」と答えた。山頂まで登ることを伝えると、「最初は笹が高いけれど山頂近くになると膝下くらいになるので笹の高さで標高が分かります。火口には地元の人が道を付けているので下りられます」と説明してくれた。
 30分ほどで火口の縁に着いた。水蒸気がもうもうと上がっていた。火口壁を10分ほど登ると山頂に着いた。風が強かった。海から一気に高くなっているので高度感が有った。隣の口之島が低く見えた。火口から上がる水蒸気には迫力が有った。水蒸気が多いので火口に下りるのはやめにした。
 港に戻り島の中央部の台地にある馬牧場を目指した。途中で軽乗用車が止まり運転していた30歳位の女性に「これから民俗資料館に行くんですか?」と聞かれた。「馬を見に行くんです」と伝えると「子供を迎えに行くので、今、民俗資料館は閉まっているけど、戻って来たらすぐ開けるので良かったら寄ってください」と勧めてくれた。馬牧場、民俗資料館、天文台の三つを一人で管理しているとの事だった。馬牧場の少し手前まで歩いた時に先ほどの管理人さんの車は戻ってきた。馬牧場では広い敷地に馬が10頭ほど散らばっていた。民俗資料館から管理人さんが馬のエサをバケツに入れて出て来た。バケツをカタカタ鳴らすと馬が集まってきた。「冬場は食べ物が少ないのでエサをあげているんです。ここにいるのは全部雌でおなかには赤ちゃんがいるんです。夏頃生まれると思います。雄は道の反対側にいます。」と説明してくれた。民俗資料館にも寄ってみた。入館ノートを見ると前日には訪問者が二組いた事が分かった。
 宿に荷物を置いた後、御池(別名底なし沼)まで散歩しに行った。途中で1台の軽トラックが追い抜いていった。沼の手前に民家が5-6軒有った。そのうちの一軒から先ほどの軽トラックの運転手が出てきた。「どこまで行くんですか」と聞かれたので「底なし沼までです」と答えた。宿泊場所を伝えると「あそこからなら近いですね」と納得した様子だった。「よかったらバナナをどうぞ。冬なのであまり甘くないんですけれど」と島の小さいバナナを4本くれた。底なし沼からは御岳が水に映ってきれいだった。宿に戻ってバナナをおいしくいただいた。