八ヶ岳で花を楽しむ2018/07/03 18:12

ウルップソウ
 週末の八ヶ岳は天気に恵まれた。土曜日とあって、行きの美濃戸口行きのバスの乗客は、20代を中心に若い人ばかりだった。
 樹林帯ではコマドリ、メボソムシクイ、ルリビタキなどの小鳥の鳴き声が盛んに聞こえて、いかにも初夏の山らしかった。空気も澄んでいて、富士山や南アルプス、北アルプスが良く見えた。赤岳から横岳にかけては花もきれいだった。珍しいチョウノスケソウやウルップソウが多く咲いていた。オーレン小屋へ下る樹林帯ではオサバグサがたくさん咲いていた。
 花を目当てに歩いている人にも何人か会った。西天狗岳へ向かっている時にカメラに小さい三脚を付けて持ち歩いている40歳くらいの女性とすれ違った。我々の大きいザックを見て、どこから来たか聞かれた。赤岳から歩いてきた事を伝えると。コマクサの様子を聞かれた。硫黄岳はまだつぼみが多かったけれど根石岳山荘付近は咲き始めていると教えてあげたら喜んでいた。
 最後にきれいな苔の道を歩き渋ノ湯に下山した。温泉で汗を流してからバスに乗り込んだ。

スロベニア山小屋事情2018/07/30 14:15

Kredarici小屋よりトリグラウを望む
 スロベニアでの12泊中、7泊は山小屋に泊まった。山小屋の密度は日本の北アルプスと同程度で、3時間程度歩くと次の山小屋があり、下山せずに山の中を泊まり歩くには便利だった。山小屋は昼は食堂として営業していた。ただし、お菓子などの行動食は売っていなかった。
 トリグラウ周辺の山小屋は割と混雑していて定員の9割程度は埋まっている感じだった。後半のKRN周辺の小屋はすいていて、他の客は1-3組だった。料金は1泊2食で40ユーロ弱(約5200円)で日本よりはかなり安めだった。クレジットカードを使えたところは3軒、使えなかったところ2軒、未確認2軒だった。
 英語は6軒で通じたが、1軒は全く通じなかった。予約はメールでは受け付けず電話のみだった。ツーリストインフォメーションやホテルロビーに予約を依頼した。1軒だけ電話がうまくつながらず予約無しで行ったら、「キャンセル待ちなので18時まで待ってほしい」と言われた。結局、キャンセルが出て、ベッドは確保できた。確保できないと食堂の営業が終わる21時以降に食堂で寝る事になるところだった。部屋は相部屋(ドミトリー)にしたが、すいている山小屋では実質、個室と同じになった。夕食は3-4種類のメイン料理の中から選ぶ方式だった。朝食はコーヒーか紅茶、パン、ジャム、卵料理と言ったところ。食事時間は1軒は決められた時間だったが、他の6軒は受付時に時間指定するか自分の好きな時間に食堂に行って注文する方式だった。
 トイレは水事情の悪い2軒はポットン式だったが、5軒は水洗だった。食堂は土足OKだが寝室へはスリッパに履き替えて行く方式で、寝室はどこもきれいだった。シャワーは無しが3軒、有料が2軒(4ユーロで2~4分)、無料が2軒だった。ビールは500ccが4ユーロで、日本より少し安めだった。飲料水は3軒が有料でペットボトルで500cc 2.2ユーロ 1500cc 4.4ユーロ程度だった。他の小屋は無料だった。シーツは、有料の所が2軒(2.5ユーロ程度)、使い捨てシーツが料金に含まれているところが3軒、シーツ無しが3軒だった。布団はふかふかで快適なため熟睡できた。室内は暖かだった。暑すぎて、窓を少し開けて寝る場合もあった。

パラダイスのBogatimon小屋2018/07/31 22:43

Bogatimon小屋
 ボーヒン湖近くのサビチャの滝からカルスト台地上のBogatimon小屋までは登り3時間余りの行程だった。幅広の勾配の緩い山道で、要所要所が石垣で整備されていた。坂が緩くなり木がまばらになると、花が多くなってきた。日本ではハクサンイチゲなど湿性のお花畑が多いが、こちらでは乾いた土地に咲く花が多く、ウサギギクに似た花や、ハクサンチドリに似た花などが咲いていた。台地に出て小屋を見晴らす小高い場所に着くと説明板が有った。「第一次大戦時に軍のキャンプ地になった所」と記載されていた。
 小屋は英語を少し話せる30歳くらいの女性と、英語を話さない40歳位の女性の二人で切り盛りされていた。山岳協会で管理されているそうで、女性達は雇われて働いている様子だった。30歳くらいの女性に受付してもらった。「働き始めて4ヶ月だけれど日本人は初めてだ」と言われた。夕食に何を食べるか聞かれ迷っていると、ネットを使って日本語訳してくれた。「キャベツのスープ」と仮名で訳された料理を注文した。食堂の壁には3週間ほど前に訪れた小学校低学年の子供達の絵が10枚ほど張られていた。遠足でここまで来ている様子だった。2階の寝室へはスリッパに履き替えて登った。滑り止めの絨毯が階段各段の中央に扇形に貼られていた。センスの良さを感じた。部屋はきれいで、2段ベッドも真新しかった。まるでペンションのような雰囲気だった。
 時間が早いので周囲のお花畑を散策した。60歳代のアメリカ人が通りがかり「初めてスロベニアに来たけれど、こんな良いところとは思わなかった」と言った。一回りして戻ると受付してくれた女性が小屋前のベンチで本を読んでいた。この小屋が気に入ってる様子で「ここはパラダイスだ」と言っていた。宿泊は、他に赤ん坊と幼稚園児くらいの子供を連れたドイツ人一家だけだった。ちょうどお父さんが日帰りで行ったKRN山から戻ってきた。「往復7時間かかった」との事だった。片道5時間半のコースなので受付女性も驚いてた。夕食でキャベツのスープ(ザワークラウトと大麦の入ったスープ)をおいしくいただいた後、ドイツ人お父さんがKRNへの途中の写真を見せてくれた。途中の氷河湖がきれいに映っていた。一家は、ここに3泊しているそうで、この山小屋が気に入っている様子だった。「どうやってここを知ったのか」と聞かれたので、英語で詳しく説明できなくて「地図で見て知った」とだけ答えた。寝る前には子供の作ったくじ引きの相手をさせられた。結果が「悪い人」との事になったので、残念な表情をしたら、子供はとても喜んでくれた。
 夜間に雨が降ったせいで、翌朝、外のベンチは濡れていた。朝食を食べ終わり、外で出発準備をしていると、ドイツ人一家が外に出てきた。朝食を外で食べるらしかった。「濡れてますよ」と伝えると、気が付いた小屋の40歳位の方の女性がベンチに毛布を敷いてくれた。こんなところで家族で朝食をするなんて、気分良いだろうな、と思いながら小屋を後にした。