北八ヶ岳の池廻り2018/08/21 15:15

雨池
 大勢の登山者で賑わう北横岳を出発し、亀甲(きっこう)池に向かうと、とたんに人が少なくなり静かになった。亀甲池には数人の登山者が休んでいた。更に小さな峠を越えると目的の双子池だった。池の水は少し多めで「キャンプ指定地」の標識の根元まで水に浸かっていた。樹林の斜面には、すでに20張りほどのテントがあちこちに張られていた。我々も少し斜めになった場所にがまんしてテントを張った。小屋で購入したビールで乾杯し、メンバーの持ち寄ったお刺身、パスタ、手造りの茄子煮浸しをおいしくいただいた。
 翌朝、鏡のように静まりかえった池には少し霧がかかってきれいだった。荷物を置いて双子山まで往復した。広々とした山頂からは蓼科山が間近に見えた。展望を楽しんでいると双子池から60歳代の男性が登って来た。声の大きいがっしりした体格の男性で「岐阜から来た」との事だった。「あちらの山は何ですか」と尋ねて来たので奥秩父の山々を教えてあげた。双子池に戻り、荷物を回収して雨池に向かった。途中の林道には、水場が有った。水量が豊かだった。冷たい水を使ったコーヒーをおいしくいただいた。
 シラビソの緩い坂を登り越すと視界が急に開け雨池に着いた。結局、双子池から雨池に着くまで誰にも会わなかった。池のほとりで荷物を下ろそうとしていると、小さなザックを背負った30歳位のほそおもての女性が、反対方向からちょうどやってきた。久しぶりに会う登山者に挨拶すると、「麦草峠にはどちらに行けば良いんですか」と手に持った登山地図のコピーを見せながら聞いてきた。地図を90度横向に見せられたせいで、一瞬、頭が混乱した。すぐ冷静になり「麦草峠はちょうど池の反対側で、このまま池を半周すれば、峠への道が有ります。すぐそこに双子池への分岐が有りますが、そこは、まっすぐ池に沿って行けば良いんです」と教えてあげた。
 静かな雨池を後にし、雨池峠を越えてロープウェイ駅が近づくと、再び喧噪に包まれた。はしゃいだ子供達が何度も「ヤッホー、ヤッホー」と叫んでいた。

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