ネパールのガイド2018/12/04 13:15

ガイドN氏
 今回歩いた箇所はガイドのP氏(34歳)もなじみが少ないとの事でアシスタントガイドのN氏(47歳)が加わり、二人のガイドに四人の客の構成だった。今はカトマンズに住むN氏は、出身が今回歩くコースの途中との事だった。そして前日まで同じコースでドイツ人グループのガイドをしていたとの事だった。おおむねN氏が先頭を歩き我々4人が続き最後をP氏が歩く順番で進んだ。キャンプ地に着くとガイド二人が我々のテントを設営し、次に自分たち二人用のテントを張っていた。荷物はポーター達が持ち、N氏達ガイドのザックは我々が一泊キャンプで担ぐ程度の大きさ、45リットルザック程度だった。ガイドが楽をしているかというとそうでもなく、一度、水場から離れた峠にテントを張った時、N氏はポーターと二人で1時間以上かけ、大汗をかきながら20リットル入りのポリタンク2個分の水を汲んできてくれた。
 N氏は道に精通していて、必ず景色の良いところを選んで休んでくれた。逆に危ないU字谷の所は、メンバーが休みたいと音を上げても、1時間半休み無しで歩き通した。樹林帯の中の小さな小屋前を通った時に我々が休みを申し入れたにもかかわらず、N氏は、もう少し行くと先に進んで行ってしまった。我々が休憩後に1-2分歩くとN氏が休んでいるところに着いた。どうやらN氏は更に2-3分先の眺めの良い沢で休みたかった様子だった。沢は上方に6000m峰を望む展望の良い場所だった。
 最終日の三日前、我々は温泉に泊まった。この時、N氏は更に歩いて1時間下った出身地の家に泊まる事にした。14日間で、この日だけは別行動になった。宿泊地の温泉から対岸の崖をゆっくり登って行くN氏が見えた。翌日、N氏出身地のすぐ下を歩いて行くとN氏が待っていた。P氏にスマホを渡していたので、P氏に頼まれて充電もしていた様子だった。N氏実家に住んでいるお兄さんも見送りに来ていた。その日の晩はロッジ裏のバナナ畑の中にテントを張ってもらった。最終日前日との事で、ガイド、ポーター達と一緒にお酒(ロキシ)を飲んで打ち上げをした。N氏も我々もネパールの踊りを踊って楽しんだ。
 翌最終日、N氏の荷物は手提げ袋一つだった。どうやらロッジに荷物を預けた様子だった。そして我々のうちの一人の荷物を持ってくれた。1時間半ほど下ると車の待つ車道の終点に着いた。N氏は今日は歩いて実家に戻りカトマンズには5日後に帰るとの事だった。そして我々に手提げ袋の中味のバナナ一房をくれた、一人道を登って戻って行くN氏の後ろ姿を見ながら「14日間ありがとう」と心の中で言った。

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