酷暑の日、小下沢(こげさわ)を歩く2022/08/04 11:52

2mの滝をシャワーを浴びて登る
 3日は高尾山近くの小下沢を遡行したた。バスを下車して林道に入ったところに工事の案内人がいた。「我々はこちらを歩きます」と沢を指さし「帰りは林道を通ります」と説明すると、「大きな車が通るので気をつけて下さい」と言われた。
 沢まで下りると水は冷たくて涼しかった。沢はゆるやかな流れで滝も小さなものが所々に有るだけだった。谷が狭まると右手の林道が近づいて来た。工事が終わったばかりの真新しいコンクリートを見ながら登ると工事中の所に来た。暑い中、作業者が重機の大きな音をたてて道を直していた。工事中箇所が終わって更に登ると、林道を小さなザックを背負った学生風の男性二人が下りてきた。下山中らしかった。上から沢にいる我々に「こんにちは」と挨拶してくれた。
 狭まった沢を更に登ると最後に2mの滝が現れた。水を被りそうなのでカメラをザックに入れた。滝のシャワーを浴び上半身まで濡れて登った。その先の5m滝は難しそうなので。林道に上がって巻いたところでこの日の遡行を終えた。下りは林道を通った。途中のキャンプ場の跡地にはベンチが整備されていた。座って冷えた赤ワインと梅酒を飲んで沢歩きを振り返りながらゆっくりくりとした。しばらくすると雷が鳴り出し雨が降ってきた。横の小屋の軒下に入って雨宿りした。雨は20分程でやんだ。
 後は、ゆっくりと林道を下った。工事中の重機の横を通り、出発点まで来ると、行きに会った案内人がいた。我々を覚えていてくれたらしく「お疲れ様でした」とにこやかに挨拶された。

鹿島槍ヶ岳を10人パーティで楽しむ2022/08/11 15:03

爺ヶ岳のコマクサ
 6-8日に鹿島槍ヶ岳に登った。今回は10人グループのリーダーだった。初日は扇沢から歩いた。蒸し暑い日だった。やがて霧になり少し涼しくなった。雪渓を注意深く渡ると、最後に霧のお花畑になった。ウサギギクやミヤマキンポウゲを見ながら種池山荘に着いた。持参の体温計で全員の体温を確認してから小屋の手続きをした。
 二日目の朝は良い天気だった。針ノ木岳を見ながら爺ヶ岳に登った。爺ヶ岳南峰と中央峰との間にはコマクサが咲いていた。冷池山荘で荷物の一部を預け、鹿島槍ヶ岳に向け登り始めると、人数が一人足りない事に気づいた。キャンプ場で全員がそろうのを待って再度登り続けた。チングルマ、ハクサンフウロ。トウヤクリンドウなどの花がきれいだった。
 山頂は霧の中だった。ツバメが飛び回っていた。ゆっくりと昼食を食べた。十数人の団体が登ってきて混雑し始めたのを機会に下り始めた。冷池山荘に戻り、小屋前で全員の体温を測ると2人体温が高かった。木陰で休み、計り直すと平熱に戻った。夕食前に全員で外のベンチでビールを飲みながらゆっくりと休んだ。
 最終日も良い天気だった。爺ヶ岳への登り返しで雷鳥を見た。良い天気なので爺ヶ岳山頂で集合撮影を撮った。やがて片足の男性が松葉杖を使って登ってきたので、標識前で写真を撮ってあげた。種池山荘からの下りの雪渓は崩落していて上を迂回する登山道に変わっていた。更に下ると前を歩いていた3人組がテレビの「小さな旅」の取材を受けていた。全員無事下山し、扇沢から帰りのバスに乗り込んだ。足並みもそろい、リーダーとしてはまずまずの山行だった。

芳ヶ平でキャンプ2022/08/18 15:41

芳ヶ平湿原
 16-17日は、芳ヶ平でキャンプした。初日は曇りだった。草津温泉を出発しミズナラの多い森を登って行った。芳ヶ平が近づくと雨が降ってきた。最初は木の下で雨をしのいでいたものの次第に雨脚が強くなり結局レインウェアを着た。幸い雨は短時間降っただけで、キャンプ場に着く頃にはやんでいた。
 キャンプ場の宿泊は我々だけだった。風の来ないベンチのそばにテントを張った。ベンチに座って白ワインと焼酎でくつろいだ。夕方になり雨が降ってきたのでテントに入った。ご飯を炊いてゴーヤとツナをおかずにテントの中で夕食をおいしくいただいた。夜降った雨は明け方にはやんでいた。朝食は外でラーメンを作って食べ、気持ち良かった。朝食後テントを撤収し、ザックを置いて湿原を一周してから横手山に向った。
 渋峠まで登ると観光用のリフトが動いていた。案内の若い人に「芳ヶ平からですか。何時に登り始めたんですか」と聞かれので「7時に登り始めました」と答えた。休んでいると車から下りてきた若い男性に「この辺に歩くところは有るんですか」と聞かれた。「リフトの横を登ると30分くらいで山頂まで行けます」と教えて上げた。やがて別の案内人がやって来て「かっこいいですねぇ」と我々のザック姿を見ながら言った。ザックを担ぎ、リフト横のゲレンデの道を山頂へ向った。途中で霧になり雨が降ってきたのでレインウェアを着た。やがて渋峠で会った若者が下りてきた。「どうもありがとうございます」とお礼を言われた。横手山山頂には神社と三角点が有った。あいにく周囲は霧に覆われていた。
 山頂ヒュッテに移動し、パンとコーヒーを注文して外の霧を見ながらゆっくりと休んだ。帰りはゲレンデを「のぞき」バス停へ下った。バス待ちの時間を利用してカフェに入り、コーヒーを飲みながら過した。やがて霧が晴れ、志賀高原の笠ヶ岳が見えてきた頃には、バスの時間が迫っていた。

烏帽子岳への険しい縦走2022/08/25 14:03

船窪岳手前で槍ヶ岳を望む
 21-23日は北アルプスの船窪岳から不動岳を通り烏帽子岳まで縦走した。初日は船窪小屋までだった。急登だった。途中の「七鞍の森」で休んでいるとサングラスをかけた青い服の女性単独行に追いつかれた。聞くと我々と同じ烏帽子岳への縦走をするとの事だった。天狗ノ庭でたっぷり休み、お花畑でウメバチソウやアキノキリンソウを見ながら登ると船窪小屋に着いた。あいにく霧に覆われ良い、展望は得られなかった。
 二日目は晴れだった。剱岳や槍ヶ岳を見ながら出発した。船窪岳付近は険しい道だった。鉄パイプの手すりの着いた両側が切れ落ちた稜線を通った。その後もガレ場の縁をロープや梯子を便りに慎重に進んだ。ガレ場の先には槍ヶ岳が見えたものの、あまり楽しむ余裕はなかった。所々に咲いているミヤマアキノキリンソウに少し緊張が和らいだ。
 最後に岩場を鎖で登ると不動岳山頂北端の岩の上に出た。なだらかな稜線の先に山頂が見えた。先行の青い服の女性単独行が山頂を出発して行くのが見えた。花崗岩とハイマツに覆われた稜線を進むと山頂で、付近にはトウヤクリンドウが咲いていた。少し先には白い砂地にコマクサがたくさん咲いていた。コマクサの先の谷間には青緑色の黒部湖が見えた。広々した山頂は今までの苦労と比べると別天地だった。
 不動岳から先はいくぶん歩きやすくなった。南沢岳で再びコマクサを楽しみ、烏帽子田圃では多くの池を眺めながら歩いた。岩をよじ登り、霧に覆われた烏帽子岳山頂で一休み後、今宵の宿、烏帽子小屋に向った。