八甲田の湿原を歩く2022/10/02 13:20

仙人岱を歩く
 9月29日は八甲田山に登った。酸ヶ湯温泉からしばらくは岩の多い樹林帯の登りだった。岩が少なくなってくると谷に出た。地獄湯の沢だった。谷沿いの道には少し火山性ガスの臭気が流れてきた。谷が終わり平坦になると視界が開けて仙人岱(せんにんたい)に着いた。草紅葉の先には八甲田の峰の一つ、小岳が見えた。避難小屋に寄り道して一休みした。
 仙人岱からは正面に主峰の大岳を目指して登って行った。急な登りを終え、小さな鏡池を右に見て一登りすると大岳山頂に着いた。10人程の登山者がいた。遮るものの無い山頂は強風が吹いていた。風除けにレインウェアを着た。長居するにはつらく、登山者は次々に下山して行った。我々だけになったところで記念撮影をしていると、新たに登山者が登ってきたので写真を撮ってあげた。
 下りは毛無岱(けなしたい)に向った。ロープウェイへの道を右上に分けるとすぐに上毛無岱に着いた。思いの外広い湿原だった。木道横の草紅葉がきれいだった。木道の広くなったところでゆっくり休んだ。更に進むと急な下り階段が有った。下りきると一層広い下毛無岱に着いた。赤いナナカマドと草紅葉の向こうには先ほどまでいた大岳がきれいに見えた。
 最後はブナやオオシラビソの森を下り、出発点の酸ヶ湯温泉に着いた。「しょうが味噌おでん」とソフトクリームを食べながら、ゆっくり休んだ。やがてきたバスに乗り込み名残惜しい八甲田を後にした。

矢沢中流で釜と滝を味わう2022/10/06 17:44

矢沢中流で釜を見ながら遡行する
 10月4日は奥多摩檜原村の矢沢中流にウォーターウォーキングに行った。南郷バス停から林道を15分歩いた落合橋から入渓した。10月にしては暑い日だった。水は冷たくて気持ち良く、きれいな清流だった。深い釜も所々に有った。ゆるやかに登って行くと、左手が伐採地になり重機がトラックに木材を積み込んでいるところだった。沢にはたくさんの木が渡してあり、下がトンネルのように暗かった。下を通れるかと不安になったものの、すぐ向こう側が明るく見え、無事通過する事ができた。
 岸辺のピンクのツリフネソウを見ながら進んで行くと、高さ50cmほどの堰堤が有った。ガイドブックには「深いので横の林道まで上がって巻く」と説明されていた。ちょうど倒木が堰堤の左端にかかっていた。水深も左端は浅かった。倒木を足場にして無事全員登ることができた。
 次の2m滝は左手の岩場を林道まで上がって巻く事にした。ちょうど軽トラックがやって来て我々が登ってくるのを待っていてくれた。下から「こんにちは」と明るく挨拶した。もう一つの2m滝を流れのすぐ左側を登って通過すると、やがて5mの堰堤に突き当たった。登る場所が無いので100m程下流に戻って大岩の所から林道に上がって巻いた。次の2段3mの滝は左の岩場を登って巻いた。最後に黒い岩のナメを登って行くと山ノ神橋に着き遡行を終了した。
 帰りは沢の横の林道を下った。落合橋まで下ったところでシートを広げて座り、赤ワインをいただきながら急な流れと深い釜を振り返って達成感を味わった。

雨にたたられた秋田の山行2022/10/13 15:41

乳頭温泉近くのブナ林
 10月9-11日は秋田県の森吉山と乳頭温泉周辺を歩いた。二日目以降の天気予報が悪かったので二日目予定の森吉山を初日に変更したため、やや時間が不足気味だった。ゴンドラ山麓駅に着いたのは、すでに11時を回っていた。20分のゴンドラ乗車時間を有効活用する事にした。6人乗りのゴンドラに5人が乗り込み、窮屈な中、登山靴に履き替え、昼食を取る事にした。各自おにぎり、パン、東京駅で買った助六弁当、さらにはカップラーメンにポットのお湯を注ぎ、山頂駅が近づくのを見ながら急いで食べた。
 ゴンドラ最終時間15時半を気にして、いつになくリーダーも足が速かった。途中の避難小屋で5分だけ休憩し、山頂には正味1時間、コースタイムよりかなり早く13時前に着いた。少し余裕が出て25分程休んで展望を楽しんだ。下りは少しゆっくり歩いたので登りよりも5分ほど余分にかかった。
 翌日は予報通り雨だった。阿仁周辺にあるマタギ資料館、伝承館、異人館などを見学し地元の文化や歴史に触れた。田沢湖を経由し、夕方には雨と霧が立ちこめる乳頭温泉の黒湯に着いた。乳白色のお湯に浸かって体を温めた。夕食は山菜やきのこ、きりたんぽ、そして秋田の米焼酎に舌鼓を打った。
 最終日も雨だった。乳頭山は中止し、ブナ林散策組と温泉組に分かれて行動した。散策組は霧のブナ林を1時間半ほど歩いた。散策後に黒湯に戻ると宿泊者は無料で入れるとの事だった。ありがたくお湯に浸かって濡れた体を温めた。全員集合後、最後は田沢湖駅前の食堂で稲庭うどんを食べて締めくくった。

両神山で懇親会2022/10/18 12:50

清滝小屋のテント
 10月15-16日にテント泊で両神山に登った。今回は7人のパーティでうちAさんBさんの二人は初テントだった。バス運転手に「気をつけてね」と言われながら出発した。最初緩かった登山道は次第に急になり、清滝小屋手前では滑りやすい木の根の急坂にロープが付いていた。Aさんは「根子地獄だ」と言いながら苦労して登っていた。
 清滝小屋でテントを張った後、ベンチで懇親会をした。モロッコ料理のクスクスをつまみに、ワイン、ウイスキーを飲んでくつろいだ。Aさんが冷えた500mlの缶ピール2本を持って来たのには驚いた。夕食はパスタ、ラーメン、お米などめいめい自炊した。寝る前、Aさんがトイレに歯ブラシを落としたと嘆いていた。夜は鹿の鳴き声がした。
 翌朝、Cさんが入れてくれたドリップコーヒーを味わいながら朝食を食べた。初テントのAさんBさんは「あまり寝られなかった」と言っていた。テントに荷物やストックを置いて山頂に向った。朝早くから登ってきた人達に次々と会った。鎖場の急坂を登って山頂に着いた時は誰もいなかった。紅葉がきれいだった。霧が出てきてあまり良い展望は得られなかった。やがて後から来た人に集合写真を撮ってもらった。
 帰りはテントの撤収と荷造りに時間がかかり、更に湿った岩や木の根のためにスピードが遅くなった。最後、緩くなってからスピードアップしたものの、結局バスに間に合わなかった。次のバスまで2時間あるのでタクシーを呼び三峰口駅に戻り、バスで西武秩父駅に出た。居酒屋で秩父の漬物「しゃくしな漬」、秩父味噌のポテト、秩父の地酒をいただいて打ち上げをした。最後は特急を奮発して気分良く帰った。

紅葉の西上州を歩く2022/10/24 13:46

烏帽子岳山頂
 10月20日は西上州の上野村と南牧村の境に有る烏帽子岳に登った。平日なのに登山口には車が1台停まっていた。ひんやりした空気を感じながら登り始めた。途中までは昨年シラケ山に登った時と同じ道だった。分岐で横道コースに入ってからは初めての道になった。
 斜面のつづら折の道を下った後、トラバースして進む道になった。少し分かりづらい道だった。登り返すと尾根の岩稜帯を通ってきた道と合流した。付近は紅葉がきれいだった。最初のピーク「マル」は樹林に囲まれていて展望が得られなかった。小休止しただけで出発した。「マル」からの下りは急だった。時折、木の間にこれから向う烏帽子岳が見えた。山頂には登山者が数人見えた。
 登り返しはロープの付いた岩場だった。ゆっくり登れば、それほど難しくなかった。登り切ると山頂で登山者が5人休んでいた。景色が良く、紅葉した潅木の先に浅間山が見えた。しばらくすると山頂にいた登山者は相次いで下山し、我々だけになった。景色を楽しみながら遅めの昼食をゆっくりと食べた。
 帰りは「マル」を巻いた後、来た道を戻った。車で上野村の宿に移動し、温泉に入って疲れを癒やした。夕食時はワインと地酒を飲んでくつろいだ。

厳しい西上州の山に登る2022/10/29 17:14

ヤツウチグラにて
 10月21日は西上州の諏訪山に登った。今回は4人のグループだった。浜平(はまだいら)の登山口には車が2台停まっていた。うち1台には出発準備中の男性単独行者がいた。挨拶すると「ネットの記録には平日は誰もいないと書かれていたけれど、今日は人がいて驚いた」と言いながら先に出発していった。
 沢沿いの道は歩きにくく、稜線の湯ノ沢ノ頭に着いた時は予定より30分程遅れていた。小さなピークを巻ながら稜線を進み、小屋跡に着いた時に、どうやら山頂まで行くと時間切れになりそうなので途中のヤツウチグラまでにすることを覚悟した。
 紅葉のきれいなロープの岩場を登って行くと祠の有る小ピークに着いた。ヤツウチグラにしては見晴が悪いので3人を待たせて一人先に様子を見に行った。幸い約10分でヤツウチグラに着いた。360度の展望だった。3人のいる小ピークまで声が届いたので「こちらの方が眺めが良いよ。こちらにおいで。」と声をかけた。全員がが来た後、集合写真を撮り、しばし展望を楽しんでから下山を開始した。
 下り途中で山頂から戻ってきた若い女性単独行者に追いつかれた。「初めて熊を見た。熊って真っ黒なんですね」と言っていた。女性はGPSを見ながら先に下っていった。下りの沢沿いの道も苦労し、登山口には当初の予定より30分遅れで着いた。山頂までは登ることができなかったけれど、十分西上州の山の厳しさを味わった一日だった。車に乗り込み、道の駅に寄って、味噌、シイタケ、蜂蜜をお土産に買った。

大町市の居谷里湿原で紅葉を楽しむ2022/10/31 17:55

居谷里湿原の遊歩道
 10月25日は大町市の居谷里(いやり)湿原を歩いた。信濃大町駅近くのレストランで昼食を取った後、電車で稲尾駅まで行った。ここでAさんと待ち合わせて一緒に湿原まで歩いて向った。
 登りの車道から振り返ると雪が降ったばかりの北アルプスに少し雲がかかって見えた。車道から林道へと入ってしばらく進むと湿原入口に着いた。迎えのAさんの車以外は車はなかった。
 誰もいない静かな湿原だった。紅葉を楽しみながら湿原の周囲の遊歩道を歩いた。一番奥には湿原から幅50cm程の小川が流れ出し、10cmほどの魚が3匹泳いでいた。駐車場に戻る途中のベンチからは湿原の中央に向け木道が敷かれていた。木道先端まで進み湿原周囲の紅葉を再度楽しんだ。
 散策後はAさんの車で近くのカフェに往復してもらい、コーヒーを飲んでくつろいだ。白いきれいな建物のカフェでお客さんがゆったりとくつろいでいた。湿原に戻ってからは元の道を駅まで歩いた。正面には雪の付いた爺ヶ岳がきれいに見えた。最後に、黄金色になった水田の先に青い木崎湖を眺めた後、帰りの電車に乗り込んだ。