身延山での静かな山歩き2020/03/02 13:32

身延山山頂の思親閣
 27日は身延山に行った。身延駅からのバスには、他に3人の地元の客が乗っているだけだった。バスを降りて閑散とした土産物屋街を登って行った。山門をくぐり急な階段を登り詰めると久遠寺(くおんじ)本堂に着いた。4人のハイカーがちょうど本堂から出てくるところだった。それ以外は、人影はまばらだった。ロープウェイ乗り場への道を分け表参道を登り始めた。コンクリート舗装された道だった。周囲は杉木立だった。途中の三光堂(さんこうどう)まで登るとベンチが有った。座って休んでいると後から年配の男性ハイカーが2人登って来た。後どれくらいか尋ねられたので「半分くらいと思います」と答えた。
 奥ノ院まで登ると南側を望む展望台が有った。先ほど抜いていった2人のハイカーの他、2人の女性ハイカーがいた。どうやら4人グループらしく、女性2人はロープウェイで登った様子だった。お昼のパンを食べながら、しばらく富士山の展望を楽しんだ。奥ノ院の裏手の階段を登ると山頂の思親閣(ししんかく)だった。読経の声が小さく聞こえてきた。建物の奥が最高点で、杉の樹林に囲まれていた。少し下の北側展望台へ行き展望を楽しんだ。南アルプス高峰の山頂部が白く見えた。休んでいるとロープウェイで来たらしい4人の若者がやってきた。
 帰りは裏参道を下った。途中の感井坊(かんせいぼう)で休んでいると中からお坊さんが出てきた。「下りですか」と聞か「はい」と答えた。お坊さんは会話をするでもなく、じっと建物の外に立っていた。どうやら私が立ち去るまで外にいるつもりらかった。袈裟を着ているだけで寒そうな感じがした。少し気の毒になり、ポットのお湯を飲んだだけで早々に立ち去る事にした。「どうも」と挨拶して立ち上がると「お気を付けて」と言われた。
 バス停では少し時間が有った。誰もお客のいない土産物屋に入り、とち餅をお土産に購入してから帰りのバスに乗り込んだ。バスの乗客は他に一人だけだった。

甲州市の三窪高原へ行く2020/03/10 13:17

柳沢ノ頭にて
 柳沢峠に車を置き歩き始めた。雰囲気の良いカラマツ林の登りだった。キツツキの木を叩く音が聞こえてきた。大きなカメラを持った男性が上にレンズを向けて写真を撮っていた。レンズの先にはキツツキがいる様子だったが鳥の姿を見慣れていない我々には居場所が分からなかった。
 霜柱の多い道を登って行った。途中からは降ったばかりの雪が1cm程積もっていた。登りつめると最初のピーク、柳沢ノ頭に着いた。天気が良く、潅木越しに富士山が見えた。石の上に腰を下ろして一休みした。
 柳沢ノ頭から積雪1-2cmの稜線を進んで行くと、ハンゼの頭に着いた。展望の良いピークで、富士山や南アルプスがきれいに見えた。ベンチに座って休んでいると年配の男性単独行がやってきた。立派なカメラを持っていた。「今日は絶景ですね」と声をかけられた。
 ゆっくり休憩した後、稜線を先へ進んだ。真っ白な雪の上には先ほどの男性の足跡が有るだけだった。やがて防火帯の切り開きになり板橋峠への下りになった。少し急だった。板橋峠からは林道を柳沢峠に戻った。林道にも1cmほどの積雪が有り、氷っている所も有って少し滑りやすかった。

飯山市のなべくら高原でクロスカントリースキー(1)2020/03/14 13:22

なべくら高原の宿を出発
 戸狩野沢温泉駅付近には雪は無かった。迎えの車で宿に向かうに従って雪が増えてきた。宿周辺は積雪30-40cmほどだった。まだチェックイン時間前で部屋には入れないので、ロビーで休む事にした。飯山駅で買ってきた地元の名物、笹鮨を食べて腹ごしらえをし、チーズケーキとコーヒーのセットを注文して一休みした。
 宿の説明によれば、雪の少ない今年は、宿のすぐ上にクロスカントリーのコースができていて子供達が滑っているとのことだった。普段の年は街中のコースで滑っているらしかった。休憩後、我々もコースを滑る事にした。クロスカントリースキーを履き、20-30cm雪が積もった車道を5分も登るとコースに出た。夏は畑になるらしい平坦地は、広々とした雪原になっていた。雪原には昨日のトレースが残っていた。トレースに沿って40分程かけて、ゆっくりと一周した。更にもう一周している間に雨が降ってきた。チェックインできる時間になったので宿に戻って休む事にした。この日の宿泊は我々だけだった。部屋でコーヒーを飲んで一休みした。
 休むうちに空が少し明るくなり小降りになって来た。今度はブナ林コースを滑る事にした。ブナ林コースにはルートを示すポールが立っていた。最初の植林帯では少し地面が見えているところが有った。池に出た所からは一周コースになった。左回りにブナ林を一周した。池に戻ると、まだ少し時間が有ったのでコース外を少し滑る事にした。少しヤブ気味の樹林の中を登って行くと休憩前に滑った雪原のコースの端に出た。後は車道を滑って宿に戻った。
 天気は再び悪くなり、宿に着く頃には雨はすっかり本降りになっていた。暖かい部屋に戻り、ずぶ濡れの服を着替えてようやく落ち着くことができた。

飯山市のなべくら高原でクロスカントリースキー(2)2020/03/15 14:03

牧峠からの下りで
 3月12日、なべくら高原のクロスカントリースキーも二日目になった。夜の間に新雪が2cmほど積もっていた。宿のチェックアウトをし、余分な荷物を預かってもらった。出発準備をしながら牧峠まで行く事を告げると「無理しないでくださいね」と言われた。
 車道には雪がたっぷり積もっていた。空の雲は次第になくなり、快晴になった。雪原の雪がまぶしかった。登るに従い新雪は深くなり10-20cmになった。道の傾斜は緩くクロスカントリースキーを滑らせるには快適だった。
 峠までの半分も過ぎた標高800m地点まで来ると、道は斜面を横切って進む場所に出た。右上から落ちた雪で道は埋まり、斜面が右上から左下に続いて道形は分からなくなっていた。左下はそのまま谷へと落ちていた。少し固い雪だった。しっかりと足場を切ってスキーを滑らせた。安全のため同行者はスキーを外して手に持ち、つぼ足で歩いた。50-60m進むと難所の急斜面は終わり、平坦な安全地帯に出て、ほっとした。難所が終わると再び歩きやすい緩い車道の登りになった。
 牧峠には吹きだまりと雪庇ができていて、無雪期とは様相が一変していた。周囲の潅木には霧氷が付き、日に照らされて輝いていた。荷物を下ろしてゆっくりと休んだ。一休み後は、往路を戻った。難所の斜面は、雪が緩くなり我々のトレースも有って行きほどは苦労せずに通過した。最後は真っ白な雪原を楽しみながら滑って宿に戻った。

妙高高原でクロスカントリースキー2020/03/27 15:49

妙高高原のクロスカントリースキー
 3月17-18日、妙高高原へクロスカントリースキーをしに行った。ビジターセンター近くの林間コースは雪が少なくて滑ることができなかった。代わりにスポーツセンターの競技用コースを滑る事にした。
 競技用コースは、雪は十分有ったものの、新型コロナウイルスの影響で通常の5kmコースは閉鎖され、約800mのコースだけが整備されていた。係の人は「短いコースだけなので料金はいただいていないんです」と申し訳なさそうに言っていた。スキーを履いて滑り出した。他に滑っている人はおらず、静かなコースだった。滑っているうちに、選手が一人やってきた。「こんにちは」と言いながらながら我々を抜いていった。選手はスピードが速く、我々は何度も追い抜かれた。
 二日目の朝は雪が降っていた。幸い滑り出す頃には晴れてきた。コースでは選手が10人ほど滑っていた。JAPANのユニフォームを着た選手もいて、軽快な滑りで次々と我々を追い抜いていった。天気は次第に良くなり妙高山がきれいに見えてきた。山の眺めを楽しみながらゆっくりと滑った。終わる頃には滑りにもすっかり慣れて楽しかった。
 スキーを終え昼過ぎに荷物を取りにホテルに戻った。電車まで時間が有ったので、ロビーで一休みした。渇いた咽に冷たいレモネードがおいしかった。

呉市倉橋島の火山に登る2020/03/29 13:27

日山山頂からの展望
 火山(ひやま)は呉市の南、倉橋島にある。3月21日、呉駅からバスに乗り火山に向かった。鉄工所や潜水艦基地の横を通り、大きな橋を渡ると倉橋島に入った。しばらく走ってトンネルを出た所に登山口バス停が有った。バスを降りて歩き始めた。峠までの道脇には桜が咲いていた。
 峠からは山道になった。小さな石仏を見ながら階段の登山道を登って行った。花崗岩が多く、眺めが良いところが多かった。景色を楽しみながら登って行くと、大きな岩の有る火山山頂に着いた。岩の上に登って展望を楽しむ事ができた。休んでいるうちに家族連れなど数人が登って来た。一休み後、奥にある後火山まで行ってみた。こちらは樹林に囲まれ展望は無かった。後火山は早々に引き上げ、途中のあずまやで休む事にした。
 あずまやは、窓にシャッターの付いた、しっかりした建物だった。この日はシャッターは解放されていて、心地よい風が吹いていた。持参のコーヒーを飲み景色を楽しみながらゆっくりと休んだ。すぐ下では男性単独行者がガスコンロを使って食事を作っていた。
 あずまやからは桂浜温泉館へと下った。この日は暑く、温泉館前のバス停に着いた時は水も飲み干していた。温泉館入口の自販機で飲み物を購入した。バス停には年配の女性が一人バスを待っていた。「これがおいしいんだよね」と自分の飲み物を見せながら話しかけてきた。見ると私と同じ物だった。「山登りしてきたの?」と聞かれた。「はい」と答え「ここにはプールも有るんですね」と言うと、「プールはコロナウイルスの影響で休んでいるけど温泉の方はやっているので毎日来て楽しんでいる」と言っていた。

ミモザを見ながら広島市の似島(にのしま)を歩く2020/03/30 15:44

似島のミモザ
 3月22日、広島港からフェリーに約20分乗り、似島(にのしま)の学園桟橋に下り立った。島の中心部に向かう40人ほどの他の乗客を見送り、我々だけは安芸小富士(あきこふじ)へ直登する山道へ向かった。風化した花崗岩のザラザラとした急登で、少し滑りやすかった。稜線に出て勾配がゆるくなると、展望の良い安芸小富士山頂に着いた。対岸に広島市街のビル群が見えた。
 休憩後は、稜線を似島のもう一つの山、下高山(しもたかやま)に向かった。少年自然の家への分岐を左に分けると、ミモザがたくさん咲いていた。意外に高木で、花は見上げる高さに咲いていた。ミモザを楽しんだ後、稜線を下高山まで歩いた。下高山も展望が良かった。
 帰りは、もう一つの桟橋の似島桟橋に下山した。こちらの方が島の中心部に近かった。桟橋前には小さな観光案内所が有り、若い男性が一人で案内していた。似島はバウムクーヘンの日本での発祥地との事で、ここではバウムクーヘンを売っていた。注文すると暖めて出してくれた。アンケートに記載するとコーヒーを無料でサービスするとの事だったので記載する事にした。「ご要望は」との質問が有ったので「レストランが有ると良いな」とつぶやきながら書いていると、「最近できたんですよ。ビールにこだわっているレストランです」と場所を教えてくれた。
 コーヒーを飲んだ後、レストランに行ってみた。ログハウス風の小綺麗なレストランだった。ドイツ風の白ビールを注文した。おいしい白ビールを飲みながら似島をすっかり気に入ってしまった。

呉市上蒲刈(かみかまがり)島の七国見山(ななくにみやま)に登る2020/03/31 13:49

七国見山への登り
 呉市街からのバスは最初の大きな橋(安芸灘大橋)を渡ると下蒲刈(しもかまがり)島に入った。更にもう一つの大きな橋(蒲刈大橋)を渡ると目的地の上蒲刈(かみかまがり)島だった。乗客は我々だけになった。バスはやがて大浦集落へと入り終点の「営農センター」に着いた。運転手から「どこへ行くんですか」と聞かれたので、「恋ヶ浜から七国見山に登り、帰りはここまで歩いて戻ります」と伝えると、「恋ヶ浜なら便利なバスがあるよ」と「とびしま海道」を走る「とびしまライナー」のバス時刻表をくれた。
 恋ヶ浜を通り原集落手前のウォーキングセンターから山道に入った。約1年前の山火事のせいで木々は黒焦げになり枯れていた。登山道の手すりや標識も焦げて黒くなっていた。途中の西楽寺は屋根瓦の残骸が残っているだけだった。六合目まで登ると、ようやく火事の跡は終わり樹林帯に入った。緑の葉からの木漏れ日に心が和らいだ。
 一登りで樹林に囲まれた山頂に着いた。展望台が有り、上からは瀬戸内海がきれいに見えた。帰りは山頂から反対側に続く緩い尾根を下った。林道に出てからは海を眺めながら中腹の道を回り込んで原集落へと向かった。桜があちこちで咲いていた。桜の木が植えられた公園が有り、あずまやが有った。時刻表のおかげで原集落に帰りのバス停が有ることが分かり、時間に余裕ができた。あずまやでゆっくりと海を眺めながら休んだ。
 原集落まで来ると無人の農産物販売所が有った。お土産にみかん(しらぬい)を一袋100円で購入した。今回の山行にすっかり満足して帰りのバスに乗り込んだ。